孤旅 #130 モロッコ 

モロッコ フェズ Hotel Abdul 屋上 一人旅
Hotel Abdul(仮) 屋上からの眺め / フェズ

2016 10月12日 (水) Fez

地獄のショッピング( フェズ6日目 )

モロッコ
フェズ
Hotel Abdul
屋上
ホテルに隣接するカフェ / Hotel Abdul屋上より

今朝、早目に起きたので、

YouTube の動画を漁っていたところ、

ドアを強くノックする音がする。

何があったかとドアを開けると

マサヤ君が目の前に立っていた。

朝飯でもどうかと誘いに来たらしい。

しかし、昨日の別れ際の話だと

会うのは昼過ぎということだったので、

少し面食らってしまった。

仕度をし、まずはホテルの向かいのカフェにて

お茶をすることに。

マサヤ君が持っていたチュロスを一つ貰い

朝食代わりとした。


その後 マサヤ君が 貴金属類を加工する工具が欲しいとのことで、

歩いて Bab Jdid 門( ユダヤ門 )を目指すも、

やはり 道が入り組んでいるだけに

なかなか辿り着けない。

どこで道を間違えたか Bab Rcif に出てしまった。

いつもの少年カリムがいないかと探したが見つからず、

再び Bab Jdid を目指す。


やっと Bab Jdid に着いたものの、

マサヤ君は ここで目当ての工具を探すのかと思いきや、

新たに泊まる安宿を何件か物色し始めた。

しばらく探した後、

歩くのは諦め 今度はタクシーに乗って

Bab Ftouh へと向かう。

こちらは、メディナの中でも一番奥にある城門で、

金物屋などが並んでいるのだが、

どうにもマサヤ君にはお目当ての物が見つからないようだ。

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もう この頃には、久々の集団行動

( と言っても たった二人ではあるが・・・)

に疲れを感じ始めていた。

実際 マサヤ君が工具を物色している間は特にすることもなく、

まるで 延々と続く女性のショッピングに

付き合わされている気分だった。

( それも 好意を持っている女性ならいざ知らず、

この間知り合っただけの ただのイケメン・バックパッカーにだ。)

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マサヤ君は 金属類を探すのは諦めたらしく、

次にタンネリ( 皮鞣し工場 )へ行こうということになったのだが、

向かっている途中にある 工芸品だかメタルだかシルバーだかの店を見付けては、

一回一回立ち寄って行くので、

目的地に いつまで経っても辿り着かない。

いくら 特に予定のない身とは言え、

毎回毎回 店に入っては お目当ての物が見つかるまで、

( 見付からないことがほとんどなのだが・・・)

もしくは探している物が無いと分かるまで

店を出ようとしない彼に付き合うのは、

さすがにウンザリしてきた。

日中のうだるような暑さの中、

こっちはとっくのとうに飽きているのに、

彼は平気な顔で 次々に店を見付けては入っていく。

これでは、【 何にも縛られない 】という

私の旅のテーマからはかけ離れているし、

寝不足の影響からか、

以前から感じていた虫歯の痛みも再発してきたようだった。

「 歯と頭が痛いから 一旦帰る。」と嘘をついて

離脱することにした。

歯は本当に痛かったから嘘ではないが、

頭は痛くなかったから、

半分は嘘をついたことになる。

ただ、特段予定がないとは言ったが、

本当は 午前中にデパートの中にあるスーパーに買出しに行きたかったし、

洗濯だってしたかったのだ。

それを、あいつ( マサヤ君 )の趣味だか何だか知らないが、

途方もない工具やら革選びに付き合うのが

馬鹿らしく思えてきた。

‶ KY” からの途中離脱

*ここから しばらく マサヤ君( 仮 )への愚痴が続きます。

2016年当時の偽らざる心境の吐露として

ご容赦ください。


そして 奴( マサヤ君 )は、

私の嫌いなタイプの ちょっと鼻につくタイプの

‶ おしゃべりさん ” だった。

話をする前提で、相手が

皆が皆 自分の考えや行動に興味があるものと思っている。

自分の興味のある物には

他の人も皆 興味があって当然と思っているのだ。

そして その話が、

はっきり言って ちっとも面白くない。

正確に言うと、

話術がまるでないので 題材は面白そうでも

全て自慢話に聞こえてくるのだ。


話が面白くない人の特徴だと思うのだが、

彼は 基本的に自分の事か

自分の周りのことしか話さない。

そして、最終的に彼の話は全て自慢話だ。

自分は気持ち良く話しているつもりだろうが、

延々聞かされているこちらは

さすがにウンザリしてくる。

なぜそうなってしまったのかについては、

彼の海外暮らしが長いことと、

彼が なかなかのイケメンだからだと推測出来る。

つまり あんな感じの話を

非イケメン( もちろん私も含まれる )がしていたら、

あっという間に周りから排除されてしまうところだが、

彼はイケメンであるが故に、

今まで何となく許されてきたのだろう。

そういったタイプの人間を 私は他にも何人か知っている。

顔はそこそこだが、

話が下手くそで クソつまらない奴だ。


そして 奴の言うセリフの半分くらいは、

スペイン人の彼女の話だ。

「 オレの彼女が・・・。」

「 彼女と一緒に・・・。」

「 彼女のおばあさんが・・・。」

彼の住んでいるスペイン的な発想からすると、

それだけ彼女への愛情が強いのだ と

好意的に受け止められるのかもしれない。

‶ 家族や恋人を大事にしているのだな ”

‶ 好感が持てるな ” ということになるのだろう。

ただし、私からするとこうだ。

・・・・・・・・・・・・・・・

「 オレ、前の彼女 知らねーし!!! 」

・・・・・・・・・・・・・・・

そこに 非モテ人としての

ちょっとしたやっかみが入っているのは認めよう。

しかしこれが、例え彼女ではなく、

「 オレの親が・・・。」とか、

「 オレの兄貴が・・・。」、「 オレの友達が・・・。」

でも同じことだと思う。

・・・・・・・・・・・・・・・

「 お前の親( 兄貴、友達 ) 知らねーし!!!」


まるで私がその人を 当然知っているかのように

話をされても困るのだ。

だって こっちはその人のこと知らないもの!!

今まで会った、おしゃべりでつまらない人達の嫌な部分を、

マサヤ君は一手に引き受けているような気さえする。

そして、そういった部分に私がげんなりしていることに

気付きさえしない。

( これも話がつまらない人の特徴だ!)

空気が読めない、

いわゆる ‶ KY ” という死語が、

頭をよぎるどころか 真ん中に居座り続けている。

モロッコ
フェズ
路地
ある路地にて /フェズ

とにかく 本当に歯も痛くなってきたし、

風邪気味なので帰るということにして

一旦宿に戻った。

彼がどう受け止めたかは知らないが、

そんなことは この際どうでも良いことだ。

とにかく 彼と一緒にいる空間から離れ、

解放されたかった。

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