2016 12月2日 (金) Sevilla ~ Lagos ~ Sagres
最果ての地 サグレス へ
遂に サグレス へ向かう日が来た。
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今回の旅では、
どうしても訪れておきたい場所が
いくつかあった。
カンプ・ノウ、オールド・トラッフォード、
セルティック・パーク などの 憧れのサッカー・スタジアム。
モン・サン=ミッシェル や サグラダ・ファミリア、
ロンドンの ベイカー街 なども、
出発前から 行きたいところリストの
上位を占めていた観光スポットだ。
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しかし、
沢木耕太郎が書いた『 深夜特急 』の影響で
旅を始めた私としては、
それ以上に 外せない場所があった。
今日 訪れる サグレス こそは、
『 深夜特急 』で沢木耕太郎が数十年前に経験した旅を
追体験するという意味では、
ロンドンの中央郵便局と共に
欠かすことの出来ない場所であった。
( 今で言うところの ‶ 聖地巡礼 ” というやつだ。)
サグレスは、ポルトガルの国土の最南西端に位置する
小さな港町。
ポルトガルは ユーラシア大陸の一番端の国だから、
サグレスは、ユーラシア大陸の
まさに端っこの町ということになる。
( 実際は最南端でも 最西端でもないのだが、
位置としては、まさに端っこと言える。)
サグレス は、ビールブランドの名を冠していることで
知られてはいるが、
他にはこれといった特徴のない町だ。
しかし、沢木耕太郎 本人及び、
彼の著書、『 深夜特急 』愛読者にとっては、
特別な意味合いを持つ。
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『 深夜特急 』の作品中でのこと。
インドのデリーから出発し、
乗り合いバスのみを使って中央アジアを超え、
ヨーロッパはフランスの港町、マルセイユに辿り着いた
‶ 私 ” こと 沢木耕太郎は、
マルセイユの鉄道駅で、
このまま パリまで行ってしまおうか、
それとも 他のルートを選択するべきかの
岐路に立つ。
パリから ゴール地点のロンドンまでは
目と鼻の先の距離だ。
このまま 高速バスで
パリまで行ってしまっても良いが、
いまいち踏ん切りがつかない。
‶ 私 ” の中で、
旅を終わらせる覚悟と言うか、
けじめになるようなものが
見出せずにいたのだ。
そこで ‶ 私 ” は、
進路を北ではなく西に取り、
イベリア半島の先の先まで
とりあえず進んでみることにする。
そうして ようやく辿り着いたのが、
サグレス という町なのだ。
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そんな 最果ての町 サグレスで、
‶ 私 ” こと 沢木は、旅の終わりを決意することになる。
そんな場所の景色を、
どうしても自分で見てみたかった。
セヴィリア → ポルトガルの港町 ラゴス へ
昨夜は、6人部屋のドミトリーに宿泊。
久々に飲んだビールの効果もあってか、
午前0時前に就寝。
起きたのは 朝の7時前だった。
同室の 他の宿泊者たちも起き出し
慌ただしい雰囲気の中、
準備を整える。
まだ 出発するには早い時間だったが、
せっかく早起きしたので
行きがけに 旧市街を少し見物しながら行こうと、
バス・ターミナルまで 歩いて向かうことにした。
チェックアウトを終え、
旧市街を 大聖堂から闘牛場の方へ向かう。
7時を回っても 町は暗く、
人通りも少ない。
何処か見覚えのある通りを過ぎて、
川沿いに少し歩くと、
Plaza de Armas のバス・ターミナルに着いた。
チケットカウンターを覗いてみるが、
誰もいない。
少しの間 待っていると、
気の良さそうなオバサンが奥から出てきて、
無事に チケットを購入出来た。
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バスの出発を待つ間、
構内のコンビニで サンドウィッチを買って
軽く腹ごしらえをする。
ホームに向かうと、
「 ポルトガル行き 」と表示されたバスが停まっていたので
迷わず乗車する。
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バスには 十数名ほどしか乗っておらず、
ゆったりと座ることが出来た。
途中停まった ファロ( Faro )の町の空港と バス・ターミナルで
客の大半が降りて行ったので、
終点の町 ラゴス に着くころには、
乗客は 前の方の席の女性二人と
私だけになっていた。
次のサグレス行きの便までには
だいぶ時間があったので、
ラゴス の町を 少し散策してみることにした。
歩いていると 手頃なスーパーがあったので、
まずは 買い出しをする。
サグレスが どんな町かは分からないが、
辺境の小さな町であることは 間違いない。
今日は金曜日。
うっかり 直行して、
スーパーも何もない町だったら、
飯を食べるにも困る可能性が
無いとも限らない。
ヨーロッパの場合、田舎でなくとも、
土、日は スーパーが完全に閉まってしまうことが多い。
パンにチーズ、ハムにお菓子類 等々、
いつものラインナップに加え、
せっかくなので 地元の サグレス・ビール( 500ml )を
3本買い込んだ。
ヨーロッパに入って感じるのが、
ビールや酒類が安く、そして手軽に手に入るということだ。
モロッコは イスラム圏の国だったので、
基本的に 酒を飲むことは
良くないこととされていた。
それでも 欧米系のスーパーや、
裏で密かに行われているバーなどで買うことは出来るのだが、
( どこの国でも 裏口と言うか、
非正規のルートというのはあるのだ。)
やはり 表立った場所で
売っていることは無かった。
そこは文化の違いだろう。
しかし、地ビールに目がない私にとっては、
これは 有難いことだ。
( この時、ビールを手に入れて浮足立っていた訳ではないが、
せっかく買ったチーズを 買い物袋に入れ忘れてしまった。
チーズ代 €1.5 が無駄金となってしまったのが
悔やまれる。)
買ったものをリュックに詰め直して、
再び歩いて 海の方へと向かう。
海へと続く川沿いは、マリーナになっていて、
たくさんのヨットが 停泊していた。
海の近くにあるお城( ラゴス城 )まで来たが、
内部を見学している時間はなさそうだったので、
外観だけ見て 引き返すことにした。
途中にある広場や教会( サンタ・マリア・デ・ラゴス教会 )
を横目に見ながら、
市街を少しだけ散策。
バスのターミナルに着くと、
サグレス行きのバスが出る10分前だった。
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