孤旅 #182 スペイン → ポルトガル

ポルトガル ラゴス サグレス バス 一人旅
サグレス行きのバス / ラゴスのバス・ターミナルにて

『 深夜特急 』の道のりを辿る( サグレス岬 )

ポルトガル
サグレス
広場
旅行案内所
バス停
バスを降りたところにある海沿いの広場。どこか物寂しい雰囲気 / サグレス

pm 1:35 発のバスで サグレス へ向かう。

途中 いくつかの町や村を経由して、

約1時間ほどで サグレス の停留所に到着。

停留所とは言っても、

海沿いの広場の前にある ただのバス停で、

特に待合室や付属する店舗がある訳ではない。

天気もどんよりしていて、

人気ひとけもなく 何となく物寂しい雰囲気だ。

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とりあえず 目の前にある旅行案内所で

町の地図をもらい、

今日泊まる宿への行き方を教えてもらった。


10分ほど歩いて 宿に到着するも、

チェック・インは午後3時からとのことで、

中には誰もいない様子。

建物の前で待っていると、

しばらくして スタッフの女性がやってきて

部屋に案内された。

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驚いたことに 今日、明日と宿泊するこの宿( ペンション )は、

とても豪華な造りだった。

部屋の真ん中に 大きなダブルベッドがドカンと置いてあり、

クローゼットにテレビ、

シャワー室には バスタブまで付いていた。

暖房もきちんと完備されており、

タオルやトイレットペーパーなど

アメニティも充実している。

これで 一泊 ユーロ32( =約3900円 )というのだから、

何も言うところがない。

やはり 他のヨーロッパの国に比べて、

ポルトガルの物価は

総じて安目なのかもしれない。


沢木耕太郎も歩いたであろう サグレス要塞へ続く道 / サグレス岬

部屋に入って 落ち着いたところで、

まずは洗濯を済ませる。

一旦休憩した後、早速外出し、

サグレス要塞のあるサグレス岬の方へ

歩いて行ってみることにした。

宿のすぐ近くから 海に向かって、

長い一本道が続いている。

確か・・・この岬へ続く道は、

前述の『 深夜特急 』の中で

‶ 私 ” こと、沢木耕太郎本人も歩いた道だったはずだ。

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サグレスに着いた頃から 空模様は怪しかったが、

ついに降り始めた小雨こさめの中、

真っすぐな道を ひたすら歩いて進む。

道の先には、果たして ‶ 私 ” が目にしたであろう

サグレス要塞( Sagres Fortress )の城壁があった。

ポルトガル
サグレス
サグレス要塞
サグレス岬
航海学校
道の終点にある サグレス要塞。元々は航海学校の施設だった。 / サグレス岬

門をくぐると 厚みのある城壁の奥に券売所があり、

入場には €3( =約366円 )必要とのこと。

時間帯としては ちょうど夕陽の見れる頃合いなのだが、

空に重くのしかかった雨雲のせいで、

一向に 太陽が覗く気配すらない。

「 わざわざ コンディションの悪い日に入場するよりは・・・。」 と、

明日の天気に期待することにして、

今日は 一旦 引き返すことにした。

せっかく来たので、

帰り際に 舗装された道を少し外れて、

道の両側に迫る断崖だんがいふちに立ってみた。

まるで 東尋坊とうじんぼうのように切り立った崖は、

ここが自殺の名所だと言われても

驚かないくらいの高さだ。

おそらく 数十年前の 沢木耕太郎 も

この崖を見下ろしたりして、

自分が辿ってきた これまでの旅について

思いをめぐらせたのだろうと思うと、

ポルトガル
サグレス
サグレス岬
断崖
東尋坊
東尋坊も真っ青の高さの断崖。柵などはなく( 当時 )下を覗き込んでみる。

感慨深いものがあった。

何度となく読み返して 自分なりに想像してきた場所が、

今まさに 目の前にあるのだ。

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やはり この地を訪れて良かった。


空も暗くなりかけてきたので、

宿の方に引き返し、

町の少し外れたところにあるスーパーで

追加の買い出しをする。

先程 ラゴスのスーパーに置いてきてしまった分のチーズや、

ドリンク類などを買って 部屋に戻り、

ビールとサラミとチーズで、

ひとり ささやかな晩餐ばんさんを開いた。

( しかし、このチーズのにおいが 想像以上に強烈で、

すぐに後悔することになった。

完全に失敗だった。)

食後の空いた時間に、

改めて タブレットに入れてある

電子書籍版の『 深夜特急 』を読み返してみる。

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やはり、先程歩いていた一本道は、

作中の ‶ 私 ” ( 沢木耕太郎 )が 夜道を歩いていたところ、

野犬に襲われそうになった場所のようだ。

あの城壁の中は、元々は大航海時代に活躍した

エンリケ航海王子が設立した航海学校があった場所とのこと。

その先にある岬からの景色と、

ここから6キロほど離れたところにある

サン・ビセンテ岬 の夕陽を見て、

当時の沢木耕太郎は 旅の終わりを決意したらしい。

今日は 天候や、時間的な都合もあって

行けなかったが、

明日には 天候が上向き、

二つの岬を 良い条件で訪れることが出来れば、

この旅の 大きなハイライトの一つになるだろう。

そうなることを願いたい。


その後は、バスタブにお湯を張って、

久々の入浴を楽しんだ。

寝る前に、日本から わざわざ DVD で持参してきた、

大沢たかお 主演のドラマ版『 深夜特急 』を観て

ポルトガル
エンリケ航海王子
サグレス
銅像
旅行案内所
旅行案内所の近くにあるエンリケ航海王子の銅像 / サグレス

明日の予習をしようかと思ったが、

移動の疲れもあってか、

プレイヤーを準備する暇も無く、

いつの間にか眠りに落ちていた。

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明日、この サグレス での目的を果たした後は、

ポルトガルの首都 リスボン を最後に、

遂に ヨーロッパとは お別れだ。


1日の歩数:19579歩( 15.0km )

1日の出費

食費

朝:€4.3( サンドウィッチ )

昼、夕:€19.4( 買い置き分、チーズ、ハム、タルト、ビール、etc. )

その他

ホテル:€32

交通費:€29.8( 高速バス、市バス )

合計 約¥10468

ユーロ1=¥122 *当時のレート

動画 モロッコ編②
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