サン・ロレンソ VS ウニオン・サンタフェ( 前半 ~ ハーフタイム )
CAサン・ロレンソ は、
アルゼンチン・サッカー界の5大クラブ の一つに数えられる
人気クラブだ。
世界的な知名度では
同じくブエノスアイレスに居を構える
ボカ・ジュニアーズ や リーベル・プレート には劣るが、
過去には 南米一のクラブを決める
コパ・リベルタドーレス を制したこともある 名門である。
この日は 格下の ウニオン・サンタフェ との対戦。
試合開始を前に、
会場のボルテージは 最高潮だ。
ついに 待ちに待ったキックオフ!
試合はホームチーム
サン・ロレンソ のペースで進んで行く。
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海外のサッカーの試合を見て つくづく思うのは、
やはり 基本技術がしっかりと身に付いているということだ。
特に この日ピッチに立った選手たちは
皆タッチが柔らかく、
狭いスペースでも 技術がブレることが ほとんどない。
密集地帯を 細かいパスで
いとも簡単に突破していく姿を見ていると、
「 自分にも出来るのでは?」と勘違いしそうになるが、
もちろん そんな訳はなく、
そこには めちゃくちゃ高難度な技術が詰まっている。
そして、言うまでもなく
球際の強さは Jリーグの比ではない。
そこには やはりサッカー大国の歴史を感じさせるものがある。
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給与の面では 欧米や中東のクラブに劣るため、
南米のリーグは それら潤沢な資金を擁する金満クラブの
草刈り場となっている現状がある。
それは ここアルゼンチンも例外ではない。
若く才能のある選手は
活躍するとすぐ海外に引き抜かれてしまうので、
‶ 国内リーグはレベルが低い ” と思われがちだが
決してそんなことはない。
やはり 普段から高いクオリティーで切磋琢磨しているからこそ
ヨーロッパ等 レベルの高いリーグに行っても
すぐに順応し、
活躍することが出来るのだ。
前半の半ば、
サン・ロレンソ が先制する。
ゴール前のフリーキックを
7番 FW カウテルーチョが直接右隅に蹴り込んだ。
壁がジャンプした際の足元を狙った
頭脳的なゴールだ。
これまで 特に目立ったプレーは無かったが、
ここ一番で しっかり決めて見せた。
その後 スコアは動かず、
サン・ロレンソが1点リードのまま ハーフタイムへ。( 1-0 )
前半 サン・ロレンソで目立っていたのは、
5番の大柄なボランチ、メルシエル と
11番の右ウィング、セルッティ 。
メルシエルは 身体を張ったプレーと見事な読みで
パスカットを繰り返していたし、
セルッティは、自慢のスピードとトリッキーなフェイントで
果敢に右サイドを突破し、
幾度もチャンスを演出していた。
ハーフタイムの間、我々もトイレなどの休憩に入る。
南米の12月は 夏真っ盛りだ。
この日は 日差しも強く、気温も高かったため、
熱中症にならないように 頭にタオルを巻いて観戦していたのだが、
面白かったのが この時のゴール裏での風景だ。
炎天下の中、常に全力で飛び跳ね、
声を出して応援し続けるゴール裏の熱烈なサポーターに向けて、
運営側からの粋な計らいなのか、
消防用のホースで 客席目掛けて
豪快に放水し始めたのだ。
その水の勢いたるやすさまじく、
場所によっては、まるで テーマパークのアトラクションの後のように
ずぶ濡れになっている人もいた。
日本なら、スマホや衣服が濡れたと騒ぐ人が
一定数いるだろうし、
苦情になっていてもおかしくない。
しかし、渦中の人であるはずのサポーターたちは、
皆水浸しになりながらも
大いに盛り上がっている様子。
彼らにとっては、このお祭りのような雰囲気こそが
毎日曜日ごとの恒例行事なのかもしれない。
幸か不幸か、
我々の座っているエリアまでは届いてこなかったが、
アルゼンチンサポーター達の 大らかさというか
大雑把な感じが 少し羨ましかった。
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