客引きの少年 と 真夜中の騒動
外へ出て 少しメディナ内を散策することにした。
近くの本屋で市内の地図を買って、（ ２０DH ）
メインの通りを真っすぐに歩いて行くと
徐々に下り坂になってくる。
途中 所々横道はあるものの、
このメインの通りを外れなければ
道に迷うことは無さそうだ。
だいぶ歩いて行くとT字路にぶつかった。
すこしづつ雨も強くなってきて 移動の疲れもあるので、
今日はこの辺で引き返すことにする。
ブー・ジュルード門の近くまで来ると、
一つ隣りの通りに 八百屋が並んでいる一角があった。
こちらの通りが もう一本のメインストリートらしい。
雨宿りがてら 手頃な食堂を探していると、
黄色いシャツの少年に話しかけられた。
安くて良いレストランがあると言うので、
少し面倒な気もしたが 付いて行ってみる。
どこか穴場のようなところかと 少し期待したが、
いかにも欧米人が好きそうな ルーフトップのあるレストランで、
その屋上では地元の青年たちが騒がしく楽器の演奏をしていて
とてもゆっくりできる環境ではない。
仕方なく誰もいない１階に戻ってメニューを見ると、
サラダ付きのミールセットで ７０DH と書いてある。（ 約７３５円 ）
シャウエンでは デザートも付いて ５０DH だったから、
いくらフェズの物価が高いとしても
高すぎるように思えた。
せっかく案内してもらったので
一応バナナジュース（ １５DH ）だけ飲んで帰ろうとしたが、
少年は 私が食事を頼まなかったことに不満だったようだ。
私が、「 だって、高すぎるよ！」と言うと、
少年は「 高くないよ！」と言い残して
そのままどこかへ行ってしまった。
案内した客の頼んだ品によって
貰える小遣いが変わってくるのかもしれない。
彼には気の毒な事をした。
部屋に帰る前に、
ソーセージと言うか臓物感多めのケバブサンドと、
桃を二つ買っておいた。
このところ夕食は 連日贅沢をしていたので
ここらで出費を抑えておきたかったし、
雨が本降りになる前に宿に戻りたかった。
部屋での質素な晩餐の後、
シャワーを浴びてベッドでくつろいでいると、
いつの間にか眠くなり寝落ちしてしまった。
・・・・・・・・・・・・・・
・・・と、突然ドアをノックする音で起こされた。
時計を見ると 夜中の０時過ぎだ。
何度目かのノックで起き出してドアを開けると、
目の前に男が立っていた。
男は 自分の事を ‶ ガーディアン ” （ 守衛 ？）と名乗り、
部屋の奥にあるトイレの方を指差して
「 マダムが寝ているから＄％＆＃・・。」
とか何とか言っているが、
何が言いたいのか まったく要領を得ない。
私は 最初トイレを貸して欲しいのかと思ったのだが、
トイレなら入り口近くにあったはずだ。
男が良からぬことでも考えているのではないかと思い立ち、
急に腹立たしくなって
声を荒げて追い払ってしまった。
すると数分後、今度は宿のオーナーと思しき男が一緒にやって来た。
彼が言うには、
トイレのファンがうるさくてマダムが寝られないから
夜間は止めておいてくれとのこと。
それならば、さっきの守衛の男の言動も合点がいくが、
いまいち納得は出来ない。
夜中はトイレもファンも使えないということか？
そもそも 窓がないから
何となく空気が淀んでいるようにも感じる。
それならそれで、宿を決める時に言っておいてほしかったと嘆いても
後の祭りだ。
即決でこの宿に決めたことを
若干後悔した。
やれやれだ。
１日の歩数：１４３０８歩（11.0ｋｍ）
１日の出費
食費
昼：6DH（菓子パン）
夕：14DH（ケバブサンド、桃×2）
その他
ホテル：125DH
交通費：90DH（バス、プチタクシー）
雑費：56.5DH（地図20DH、ジュース15DH）
合計 約￥3061
１DH＝￥10.5 ＊当時のレート
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