孤旅 #140 モロッコ

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砂丘の頂上で佇むベルベル人の若者 / ハシラビード砂丘

2016 10月21日 ( 金 ) Hassi Labiad ( Merzouga )

ヨンちゃんとお別れ

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サハラ砂漠 / ハシラビード

今朝は8時半頃 朝食を食べに食堂へ降りて行くと、

韓国人のジンさんと、新しく加わった

同じく韓国人の女子学生がいたので、

同席することになり、

しばらくすると マリエさんが加わって、

4人で卓を囲んだ。

そこに ちょうどオーナーのアリがやって来たので、

明日の ティネリール 行きのバスと、

ホテルの予約をお願いしておく。

遅れて 今度はヨンちゃんがやって来て、

オーナーのアリに、

「 この間行った砂漠の宿泊ポイントまで 歩いて行けないか? 」

と質問していた。

彼女は、この間行ったサハラツアーに

今から再び参加するらしいのだが、

前回 余程ラクダに乗るのがキツかったのか、

今回は 休憩所まで歩いて行きたいとの旨を

アリに相談したかったようだ。

「 歩くとけっこう大変だよ 。」と、釘を刺されつつ

アリから 渋々OKをもらったヨンちゃんは、

食事をするために 我々の席に加わった。

この時には、ジンさんと女子学生は

すでに席を離れていたので、

残ったのは 私とマリエさんとヨンちゃんの3人。

私は ヨンちゃんに、

明日 ここを離れる事を告げて、

そこで一応のお別れの挨拶をした。

彼女は残念がってくれたが、

本心は それよりも、

これから参加するツアーの方に

気が向いている様子だった。


その後、一旦部屋に戻ったが、

何となく 先程の挨拶がしっくりこなかったので、

10時頃再び1階に降りて

ヨンちゃんを見送ることにした。

この時彼女は、すでにツアーに出掛ける準備が出来た状態で、

同行する韓国人グループと一緒にいたので、

私は 近くにいたマリエさんと同じ席に座って

一行の旅立ちを見守った。


実は 私はこの時、

ヨンちゃんに もう一度 ちゃんとお別れが言いたいという

衝動に駆られていた。

サハラツアーで一緒に時間を過ごしたこともあったし、

その後も 何かにつけて 私を気にかけてくれていた( ・・・気がした )。

サハラツアーでは、夜 一緒に

デザートフォックスを探しに行ったりもした。

年齢的にはだいぶ離れていたが、

私は彼女に対して、幼い頃に味わった

ある種の恋心のようなものを抱いていたのかもしれない。

ここ数日は、彼女のことを

常に気にかけていた気がしないでもない。

もちろん、だから具体的にどうするという訳でもないのだが、

ただ もう一度、 正式にお別れが言いたかったのだ。


ヨンちゃんは、すでに出発の準備を済ませていて、

他の韓国人のツアー参加者に囲まれていたので、

何となく 声がかけづらい。

出発する段になり、

遠目に見ている私の姿に気付いた彼女は、

遠くから手を振ってくれたが、

その後は 振り返ることもなく

一行と共に砂漠へと旅立ってしまった。

あっけない幕切れだった。


彼女が 行ってしまったことで、

もう この街に滞在する理由が無くなってしまった気がしてきた。

これで 何の心残りもなく

次の場所へ向かうことが出来そうだ。

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