
水餃子屋の夫婦 と 茘枝公園(ライチ公園)

深圳のことはあまり詳しく調べずに来てしまったため、
まず両替をしたいのだが、
どこを探しても両替所が見当たらない。
そこら辺をうろつきながら
まごまごしていると30分くらい経ってしまい、
仕方なく地下鉄に乗るための階段を下りてみると
何の事はない、
すぐ右側に両替所を発見。
とりあえず、香港$200を
中国元 185元(=約3700円)に両替えする。
早速 地下鉄のチケット代わりのトークンを買って、
大劇院 という駅まで移動。(3元=約60円)
特にこの駅に用事があるわけではないのだが、
この近くに有名な 『京基100(KK100)』という超高層ビルがあるので、
それなりに栄えたエリアなのではないかという
旅慣れた旅行者としての独自の推察からだ。
大劇院駅に到着し、
改札をトークンで通ろうとするも、
反応が悪いのか 何度やっても引っかかってしまう。
仕方なく『旅客中心』(カスタマーセンター)の窓口に行くと、
係員が手動のゲートから外に出してくれた。
階段を上って外に出ると、
ちょっとしたレストラン街があった。
朝飯は コンビニで買い置きしておいたマンゴープリンで
済ませておいたのだが、
時間はすでに正午を回っている。
さすがに腹が減ったので、
ここで腹ごしらえをすることにした。
レストランの前に出ている看板のメニューを見ていると、
値段が香港に比べて圧倒的に安いのに気づく。
感覚的には、どの店も
だいたい香港の3分の2くらいの値段だ。
その中に 水餃子を専門に扱った店を発見!
値段も手頃そうなので、
とりあえず注文をしてみることにした。

店は老年の夫婦で経営しているらしく、
とりあえず目の前で調理をしている
旦那の方に話しかけてみるが、
全く相手にしてくれない。
調理で忙しいからなのか、
私が外国人で面倒くさそうだからなのか判別がつかず
戸惑っていると、
給仕をしている奥さんの方が
親切に対応してくれた。
言葉は通じないが、
とりあえず身振り手振りで
一般的なプレーンの水餃子を注文して、
空いている席に座って待つ。
・・・・・・・・・・・・・・・
この奥さん、小柄ではあるがテキパキと動き、
私以外の客の注文や配膳、後片づけを
実に要領良くこなしていく。
お昼時の忙しい時間帯にも関わらず、
一人で何役もこなしながら客を捌いていくその様は
とても小気味よく、
見ているこっちも気持ちが良いくらいだ。
しばらくすると、
私のテーブルにも注文した皿が運ばれてきた。
水餃子は 一人で食べるには十分すぎる量で、
一つ一つの粒が大きいうえに、
それが皿いっぱいに20個近く乗っている。
これを 卓上に置いてある
酢醤油のようなものを付けて頂く。
中の具の量も十分、
肉汁も詰まっていて とても美味しい。
これで17元(=約340円)に過ぎないというのだから、
更に驚きだ。
これにビールでもあれば最高なのだが・・・などと思いつつ、

久々の本場の水餃子を
一心不乱に食べ切った。
「このくらいが 丁度良いんだよなぁ・・・。」
・・・・・・・・・・・・・・・
失礼かもしれないが、
決して ‶高級店″と呼べるような店ではない。
しかし、私のような旅行をしている者にとって、
旅先で 安価で美味しい料理が気軽に食べられる店に出会えたなら、
それは とてもラッキーなことなのだ。
昨日の 3600円もしたガチョウのグリルは
一体なんだったのかと思う。
まぁ あれも貴重な経験ということか。

腹も満たされたところで、
早速 近辺を散策してみる。
私の旅行者としての推察(勘?)は見事に外れたようで、
周りは繁華街どころか 人通りも少なく、
どちらかと言うと 郊外といった雰囲気。
たまに完全電動式の二輪車が、
エンジン音がしない車体の代わりに
凄まじいクラクションを鳴らしながら、
歩道を猛スピードで走り去っていく。
果たして日本より
進んでいるのか遅れているのか、
判断が難しいところだ。
技術は進んでも、
性格は変わらず荒々しいままといったところか・・・。
目の前にそびえる高層ビル 京基100 を横目に見ながら、
大きな通りを渡るために地下道に入る。
道の反対側の長い階段を上って行くと、
目の前に 大きな公園の入り口が現れた。
看板には、『茘枝公園』(LITCHI PARK)と書かれている。

‶茘枝″ とは 植物の‶ライチ″のことらしい。
茘湖という湖を取り囲むように出来たこの公園は、
中国式の昔の庭園を再現した造りになっており、
植物や木々も豊かで、
正に都会のオアシスといったところだろうか・・・。
食後の散歩がてら、
池の周りを中心に歩いてみることにした。

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