ケバブ屋と木製の巨象
一旦ホテルに戻り レセプションが開いていたので、
一応の挨拶をして、受け付けの若い女性に町の地図をもらった。
面白かったのが、
その若い学生風の娘に 何の気なしに
たいして上手くもない英語で質問をしたところ、
つい早口になってしまい
娘が少しまごついた様子で
「 私は英語が下手なんで、もう少しゆっくり話してもらえますか。」
と言ってきたことだ。
下手くそなのはこちらも一緒なのだが、
しばらく英語圏を旅してきたことで
話すテンポだけはいくらか速くなっていたようで、
その娘に言われて初めて気付いた。
西洋人と見ると無条件に 自分よりも英語が堪能だと思う節があったので、
何だか急に自分の英語力が上がったような気がしてくる。
思うに、総じてフランス人やイタリア人は
英語に対するコンプレックスを持っている人が多く、
やはり英語にコンプレックスのある日本人の私が
何となく親しみを感じるのも、
そういった部分なのではないだろうか。
以前、イギリスで 英語が話せない奴は
人間ではないかのような扱いを受けたことがあった。
トラウマとまでは言わないが、
ショックだったし、いまだに根に持っている。
やはり 自分と同じような経験をしたことがあるのではないかと思うと、
他人とは思えなくなってくる。
同じ思いを共有しているからこそ
愛着も湧くのだ。
イタリアもフランスも 英語という言語に関しては
発展途上だ。
その後、宿の女の娘がやたらと観に行けと薦めてきたので、
ロワール川沿いを西に歩いて
‶ 機械仕掛けの巨象 ” というのを見に行った。
‶ 機械仕掛けの巨象 ” とは何かの説明を受けたが
何のことか理解できず、
後で調べてみたところによると、
ロワール川の中州にある島、
ナント島にアトラクション遊園地があって、
そこの最大の売りが 機械仕掛けの動物たちで
それが実際に動く様を観ることが出来るらしい。
道すがら あまりに腹が減っていたので、
途中にあった小さなファストフードの店で
ケバブサンドのセットを食べた。
二十歳くらいの若い娘が 一人で店番をしているような店で、
私の他に客はいなかった。
会計の際 €10札で支払おうとすると
「 あと1€ 余分に持っていないか?」と聞いてきた。
ケバブの値段は €6 なのだが
細かいお釣りが無いらしく、
€5札でお釣りを渡したかったらしい。
私もあいにく細かいお金が無くて、
とりあえず持っていた30セント ほどを渡すと、
渋々これで良いと €5札 を返してくれた。
つまり 70セント ほど負けてくれたのだ。
その後 ナント島に着いたが、
辺りは閑散としていた。
だだっ広い敷地には誰も人がおらず、
目玉だと言う機械仕掛けの巨象も
倉庫に眠ったままだった。
夕暮れ時だったこともあるが
後で知ったところによると、
巨象が動くイベントは 曜日や時間が決まっているらしく、
私が行ったのは 人っ子一人いない時間帯だったようだ。
警備員に不審な目を向けられる中、
とりあえず ‶ 動かない巨象 ” の写真だけを撮って
宿に戻ることにした。
帰り道 先程ケバブを食べた店の近くまで来た。
負けてもらって 最初はラッキーだなと思っていたのだが、
店員の女の娘が少し困ったような表情だったので、
何となく申し分ない気持ちになっていたところだ。
だいぶ手前にコンビニがあったので
そこで飲み物を買ってお金を崩し、
帰りに店に寄って 足りなかった分( 70セント )を
渡すことにした。
さっきの女の娘は 少し驚いた表情を見せたが、
喜んで受け取ってくれた。
こちらも€1を惜しんで使う身なので
ほっておいても良かったのだが、
なぜか急に日本人の真面目で実直な資質を示したくなったのだ。
その娘の 喜んだ表情を見れただけでも
立ち寄って良かった。
宿に帰ってからは することも無く、
ベッドで横になりながら iPad をいじっていると、
疲れで いつの間にか寝てしまった。
1日の歩数:21790歩(16.7km)
1日の出費
食費
朝、昼:なし(買い置きのパン、TUC)
夕:€6(ケバブサンド)
その他
ホテル:€44.6
交通費:€21.4(バス、トラム)
雑費:€4.8
合計 約¥9216
€1=¥120 *当時のレート
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