孤旅 #108 スペイン

スペイン バルセロナ カンプノウ・スタジアム 試合開始前 一人旅
試合開始前のカンプノウ・スタジアム / バルセロナ

2016 9月21日 (水) Barcelona ②

FCバルセロナ × A・マドリード ( 前半 )

両チームのスタメン

バルセロナ

GK

テア・シュテーゲン

DF

ピケ

マスチェラーノ

ジョルディ・アルバ

セルジ・ロベルト

MF

ブスケツ

ラキティッチ

イニエスタ

FW

メッシ(トゥラン)

ネイマール

スアレス

*( )内は交代選手

A・マドリード

GK

オブラク

DF

ゴディン

サヴィッチ

フェリペ・ルイス

フアンフラン

MF

コケ

サウール

ガビ

FW

ガメイロ(コレア)

グリーズマン

カラスコ(F・トーレス)

スペイン
バルセロナ
カンプノウ・スタジアム
FCバルセロナ
ウォーミングアップする両チーム

pm10:00、ついにキックオフ。

序盤からボールを支配するバルサ。

それを堅守速攻で迎え撃つアトレティコ。

予想された通りの 期待を裏切らない展開。

何より レベルが高過ぎる!!

バルサの選手たちは、

GKからFWまで皆 中盤の選手のようで、

パスの出し手は とにかく鬼のように速いパスを出し、

受け手も難なくそれを止めてしまう。

短い距離のパスでも思いっきり蹴ってくるし、

ボールを蹴る音が 他のチームとは違う。

そしてよく動く。

動くと言っても 長い距離を走ると言うよりは、

ポジションチェンジを絶え間なくやり続けている感じだ。

Jリーグではめったに見られない連携やパスが

数秒間に一回の割合でやってくる。

本当に同じ競技とは思えない。

やはり サッカーにおいて、

止める、蹴るという基本的な技術が

どれだけ大事かということを痛感させられる。


対するアトレティコは、

ボールを奪った瞬間に鋭い出足で

速攻を仕掛ける。

そして、あれだけハードワークする選手たちが

攻めに入ると 皆一様に上手くてびっくりしてしまう。

パスも落としも正確で、

何度かチャンスになりかける場面もあった。

中でも グリーズマン、カラスコ といった選手たちは

ドリブルスキルも高く、コース取りも素晴らしい。

そして 目立たない他の中盤の選手達ですら、

一旦ボールを持てば 正確に繋いで

時折り前にも出て行く。


そんな序盤で目に付いたのが

バルサの二人のセンターバックだ。

マスチェラーノ は元々ボランチの選手だし、

ピケ もボール扱いに定評があるのは知っていたが、

驚いたのが 二人ともボールスキルが異様に高いことだ。

ボールを持ってあたふたすることが まずない。

プレッシャーをかけられても

難なく打開できるし、何より落ち着いている。

最終ラインから組み立てる際、

主に中盤の ブスケツ がDFラインに下がってきて リベロの位置に入り、

両CBは開いてボールを配給するのだが、

その姿がまるでボランチの選手のようで、

ただ フィジカルが強いだけで、足元が下手な選手がCBをやるというのは

完全に過去の話なのだと思い知らされる。

Jリーグでも 3バックの両翼が上がっていくスタイルのチームはあっても、

( サンフレッチェ、レッズ など。)

2CBが上がって行って しかもボランチ並みの配給をするというのは

見たことがない。(*あくまで2016年時点での話です。)

とても印象深かった。


そして イニエスタ だ。

彼と メッシ が起点となり バルサはボールを支配する。

メッシ に対しては、安易に飛び込むと交わされてしまうので

相手DFは懐に入れず、

回数こそ少ないが そこで確実に起点になっていた。

それに対し イニエスタ は 常にボールを要求し、

そして彼のところに またよく集まる。

メッシ のキープ力の元になるのは

その爆発的な瞬発力に他ならないが、

イニエスタ には メッシ 程のスピードはない。

それでもボールを取られず、

DFの間をスイスイと交わしていけるのは

センスと技術に裏付けられた 卓越した戦術眼によってである。

とにかく全てのタッチで

相手DFの逆、逆を突いていく。

トラップ一つで相手を騙して前を向き、

また次に来た選手もパスなりドリブルなり

最良の方法で交わしていってしまう。

サッカー通の人が特に イニエスタ に熱狂するのは、

そういった彼の頭の良さや戦術眼に惹かれるが故であろう。

メッシは 【 凄い!】、イニエスタ は 【 巧い!】 なのだ。


前半終了間際にスコアが動く。

バルサの左からのショートコーナー。

MFイニエスタ のクロスを、MFラキティッチ が

頭でゴール右隅に押し込んでバルサが先制。(1-0)

バルサらしくないクロスを放り込む形での得点だったが、

ここにも伏線があった。


試合中 不思議に思ったことがある。

例えば左から右に素晴らしいサイドチェンジのパスが入ったとする。

パスを受けた右サイドの選手は 当然ドリブルで勝負に行くものと思いきや

割と簡単に後ろに下げてしまうのだ。

これでは ボールは保持できても

せっかくのチャンスを潰している事にならないだろうか?

数的不利ならともかく、

数的同数でもボール回しに切り換えてしまう。

しかし、しばらく観察していると、

再度ボール回しを始めてから

何処かしらのタイミングでチャンスを作っていることに気付く。

バルセロナには メッシ がいて イニエスタ がいて、

ネイマール も スアレス もいる。

皆が ‶ 個 ” で違いを生み出せる選手ばかりだ。

よく日本代表が陥る

‶ ボールを繋いでいるだけ ” の状態にはなり得ない。

常に仕掛けのタイミングを窺っていたのだ。

一旦外に開いて また中に戻す。

そしてまた逆のサイドへ。

これを続けているうちに相手のマークに自然とズレが生じ、

スタミナも消耗する。

そしてその隙を決して見逃さないのが

今のバルサなのだ。

スペイン
バルセロナ
カンプノウ・スタジアム
売店
試合前 人がたくさん並ぶ売店での様子

実際 外に開いてほんの少し空いた隙間を

イニエスタ がパスを通し、

メッシ と スアレス がワンツーで突き、

ネイマール がドリブルで仕掛けていた。

こうしてバルサのサッカーは成り立っているのだ。

この先制点も、ポゼッションがジャブのようにアトレティコに

じわじわと効いてきて、

マークがほんの少しズレた結果なのだ。


バルサ リードのまま試合は後半へ。

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