孤旅 #121 スペイン → モロッコ

モロッコ タンジェ メディナ 一人旅
フェリーターミナルから見えるメディナ( 旧市街 ) / タンジェ

タリファ城

スペイン
タリファ
タリファ城
フェリーターミナル隣りのタリファ城 / タリファ

港の目の前にある タリファ城に足を向けてみる。

遠くからでも目立つこのお城は、

この小さな港町の 人気の観光スポットらしい。

城内でどこか座るところを見つけて、

飯でも食べながら出発を待つことにした。

入口の門をくぐると

こじんまりとした受付の小屋があった。

入場料は €4。

しばらく € も使わないだろうし、

コインも余っていたので、

とりあえず入ってみることにする。

ただ、けっこうな大荷物なので移動が大変そうだと思い、

何とはなしに受付のおばさんに、

「 中に階段は多いか? 」

と聞いてみた。

すると、そのおばさんが気を利かせて、

何やら無線でやり取りをし始めた。

どうやら その受付の小屋で、

荷物を預かれるように許可を取ってくれたようだ。

スペインを離れる前に、

スペイン人のおおらかな優しさに触れられたような気がして

何だか嬉しくなった。

バルセロナやマドリードのような大都市では、

こうは行かないだろう。


城内は 30~40分ほどあれば見て回れるほどの広さだったが、

城壁に上った時の景色は素晴らしかった。

これで500円程度なら 全然悪くない。

高いところから見下ろすと、

町自体も 南国っぽく白色に統一されていて、

とても気持ちの良いところだ。

時間さえあれば、ここでもう1泊して

街中を歩いて回ってみたい気もする。

そう思わせる町だった。


pm2:30 近くになり 船着き場へ向かう。

パスポートチェックと荷物検査を終え、( ボディーチェックは無かった。)

颯爽と船に乗り込むと、

船内にあるレストランの後方にあるブースで

すでにモロッコ入国の審査が始まっていた。

スペインのタリファから モロッコのタンジェまでは、

船で1時間半ほどの距離だが、

モロッコの入国手続きは、

上陸後ではなく 船上にて行われる。

事前にネットで調べて知っていたため、

迷うことなく私も列に加わることにした。

割と早目に並べたので、列の前の方で順番を待っていると、

横からじっと様子を窺っている若い男がいるのに気付いた。

男は おそらく地元のモロッコ人かその近辺の北アフリカ系で、

少し野暮ったい感じの身なりをしている 。

列はすでに後方まで伸びていて、

並ぶなら 一番後ろからになるはずだが、

どうやら さり気無く横入りしようと

チャンスを窺っているようだった。

皆がちゃんと並んでいるのに

こういった輩が不正を行うのは腹立たしいので、

「 何で割って入ろうとしているんだ!?ちゃんと並べよ!」

と 英語で注意してやった。

すると、男は さも英語が分からないといった風で、

「 は!?」というような顔でとぼけてみせた。

絶対に言葉を理解出来ているはずなのだが

こちらもそれ以上言うのは面倒なので、

とりあえず 私の前後には入らせまいと牽制しつつ、

分からないはずの英語で、「 ふざけるな!」などと、

わざと男に聞こえるように言ってみたりした。

しかし、結局男は、

私の数メートル後ろにいる白人の夫婦が余所見をしている隙に、

スルッと列に並んでしまった。

私はそれも腹立たしかった。

こういった場面で、

ヨーロッパの人達が不正をした者を注意したのを

あまり見かけたことが無い。

まぁ仕方ないと諦めているのか、

それとも 関わらない方が良いと判断してなのか分からないが、

けっこう寛容なのだ。

日本と違い 海外の場合、

相手が厄介な輩だと、ナイフや銃などを持っていないとも限らないから

下手に関わるのは危険なのかもしれないが、

注意すべきところは すべきだと思うのだ。

私の場合、そこは日本人!

スペイン
タリファ
タリファ港
フェリーターミナル
いよいよフェリーでジブラルタル海峡を渡る / タリファ港

平和ボケのせいか 逆に変なところで度胸がついているので、

とりあえずの勢いだけで注意は出来るのだが、

今回は 私が当事者とも言えないので、

放っておくことにした。

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