孤旅 #139 モロッコ

モロッコ ハシラビード メルズーカ 夕陽 一人旅
沈みゆく夕陽 / ハシラビード

2016 10月20日 (木) Hassi Labied ( Merzouga )

いつもの猫カフェで

モロッコ
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ハシラビード
砂漠
サハラ砂漠 / ハシラビード

今朝は朝6時に起きてしまった。

この二日間 なかなか書けていなかった日記を付けていると、

あっという間に8時過ぎになってしまい、

急いで朝食を取りに食堂に降りる。

一人で座って食べていると、それを見かねたのか、

隣りのテーブルのフランス人グループの女性が

一緒にどうかと声をかけてきた。

誘ってくれた60代くらいの女性と、

さらに年配の夫婦と思しき男女と共に

四人で席に着く。

しかし、せっかく誘ってくれたのは良いが、

英語が出来るのは 声をかけてくれた女性だけで、

あとの二人は全く話すことが出来ない。

そのうち、頼りの女性が席を立ってしまったので、

残された私と老夫婦の三人は、

特にコミュニケーションが取れるわけでもなく、

何となく 気まずい雰囲気になった。

後ろの席では、後からやって来たジンさんと、

韓国人の若手グループが、

楽しそうに自国語で話に花を咲かせている。

今更席を移る訳にもいかず、

私も早目に食事を済ませて、

さっさと自分の部屋に戻ることにした。


昨日誘われたジープツアーだったが、

未だ参加するかどうか決めかねていた。

ジンさんから聞いた感じだと、

私以外の参加者は皆韓国人だし、

そもそも皆私より だいぶ若い人たちのようだ。

参加したところで、さっきのように居場所がない感じになるのも嫌だし、

向こうが私の扱いに困るのではないかと

要らぬ心配をしてしまう。

そんなこんなで、どちらとも決められず、

何とはなしに いつもの猫カフェに向かうことにした。


店に着いてみると、

昨日と同じ席にシライさんが座っていた。

隣りには血色の悪い顔の若者がいて、

シライさんにしきりにタバコをねだっている。

イスラエル出身だという彼は、

シライさんに、

「 日本の東北地方にユダヤ人が移り住んだのを知っているか?」

などと 都市伝説のような話を

延々と力説していた。

彼の眼はしごく真剣だったが、

何かで酩酊しているようにも見え、

シライさんも少し持て余しているようだった。

イスラエルの若者が去ると、

入れ替わりで 日本人の女性二人が入店してきた。

一人は昨日 シライさんと、

どこかの国の養蜂所の話で盛り上がっていた女性で、

もう一人は、マリエさん ( 仮 )という

黄色いベルベルの民族衣装を着た 細身の女性だった。

日本人同士ということで

どちらからともなく話しかけ、

和やかな雰囲気になったところに、

ヨンちゃんと昨日の夜一緒になった男子学生、

その他に新しい面子も含めた

五人の韓国人グループが入ってきた。

ついこの間まで 日本人が多い印象だったが、

ここ数日は 韓国人の方が多いように感じる。

ヨンちゃんは、私に気付いて手を振ってくれたが、

学生の方は、他のメンバーとの会話に夢中で

私の存在に気付いていないようだった。


その後も しばらくダラダラとカフェに居続けた。

3時ごろ 韓国人グループは帰っていった。

シライさんと もう一人の女性( 養蜂所の方 )の旅先での話が

マニアック過ぎる上に、

知っている知識をひけらかしているような話し方が

鼻についた。

自分達だけで話を進めるから会話に入って行けず、

面倒に感じてきたので

部屋に戻ることにした。

シライさんは 悪い人ではないが、

自分の知らない話題にまで

違う話題を関連付けて無理矢理話に入ってくるので、

ちょっと苦手なタイプだ。

しかも、笑顔が悪人顔なので、

さらに胡散臭い感じが拭えない。


ホテルに戻ると 人の気配がなく、

中庭は全体にシーンとしていた。

どうやら、大勢いた韓国人の若者たちは、

皆でジープツアーに行ってしまったようだ。

何となく 置いて行かれた気分で寂しかったが、

結局 行かなくて正解だったのでは・・・と思い直し、

少し休憩した後、

5時過ぎから 裏の砂丘に登りに行くことにした。

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