孤旅 #139 モロッコ

モロッコ ハシラビード メルズーカ 夕陽 一人旅
沈みゆく夕陽 / ハシラビード

爽やかなドイツ人

モロッコ
ハシラビード
メルズーカ
砂丘
尾根伝いに左奥の頂上まで登って行く。 / ハシラビード砂丘

ホテルのテラスからよく眺めていたハシラビードの砂丘だったが、

実際に上まで登るのは初めてだった。

ホテルの裏口から 砂丘の麓までが10分。

そこからは 反時計回りに迂回しながら

ひたすら傾斜のきつい砂の山を登って行く。

一足ごとに足を取られるため、

砂山を登るのは思っていた以上に体力を消耗した。

先に登っている観光客の足跡が付いているので、

それをなぞるように進んで行く。

最後の急な坂が少々きつかったが、

何とか頂上に到達。

( 所要40分くらいか・・・。 )

他にも先客が数人いたが、

頂上からの景色は、

大パノラマを独り占めしているかのような感覚で、

まさに絶景だった。

まだ日が暮れるまで時間があったので、

少し平らになった部分に座って

変わりゆく砂漠の色の変化を目に焼き付けた。


先客と入れ替わる形で、

新たに二人の若者が登って来た。

話を聞いてみると、

彼らは長期休暇を利用し、ドイツから

自分たちの車で遥々モロッコまで来たとのこと。

とんでもない距離だったろう、

まさに大冒険の旅だ。

二人は夕暮れを見ながら

持参したビールで乾杯をし始めた。

頼まれて写真を撮ってあげると、

お礼にとコーラをご馳走してもらった。

私が、

「 ドイツなどヨーロッパの人は バカンスが長くて羨ましいね。」

と伝えると、

「 アメリカやイギリスの車はすぐ壊れるが、

日本の車は 本当に素晴らしい。

特に HONDA や TOYOTA は壊れない。」

モロッコ
ハシラビード
砂丘
ドイツ人
ドイツから遥々車でモロッコまで来たという ドイツの若者たち

と、逆に日本のことを褒め返してくれたのが

嬉しかった。

だいぶ 日も暮れかけてきて、

彼らは私に、「 良い旅を!」と言って

山を降りて行った。

私も「 君たちもね!」と返し、

握手をして別れた。

とても気持ちの良い二人組だった。


帰るころには だいぶ日が落ちてきていた。

辺りも暗くなってきて、

建物の明かりを目印に歩いて行くのだが、

なかなかホテルに辿り着かない。

砂丘の麓まで来てみると、

だいぶ南の方へ流されていたようで、

ホテルの前にある防砂林の切れ目まで

迂回しなければならなかった。

やっとホテルに戻って急いでシャワーを浴び、

一息ついて食堂に向かうと、

外のテラスの席は全部埋まっており、

私一人だけで 誰もいないホールの席で

寂しく夕飯を食べる羽目になった。

この間までは、日韓混合ともいった雰囲気のこの宿だったが、

今は 韓国人グループがやたら増えて、

パワーバランスが少し変わってしまった感じだ。

情けない気持ちで、

唯一 食べ物目当てにやって来た猫を相手にしながら

食事を進めていると、

昼間 猫カフェで会ったマリエさん( 民族衣装の女性 )が、

私に気付いて同席してくれた。

マリエさんは、歳の頃なら 30代半ばくらいだろうか。

日本で知り合った、在日モロッコ人の友人と一緒にメルズーカまで来たが、

その友人と何かの拍子で喧嘩してしまい、

友人は故郷であるメクネス( フェズ近くの町らしい。)に

帰ってしまったのだそうだ。

昨日メルズーカでサハラツアーに参加したが、

天候が悪く、砂漠で星空も朝日も観れなかったので、

このハシラビードで 再度ツアーに参加すべく

‶ リベンジ ” に立ち寄ったとのこと。

彼女の方も、少し周りから孤立していたらしく、

同じ日本人の私を見かけて声をかけてくれたようだ。

少ない日本人同士、

食後もしばらく二人で話をしていると、

モロッコ
ハシラビード
メルズーカ
砂丘
夕暮れ時
日も沈みかけ、うす暗い中、街の灯を目指し 下山する。

スタッフのユージンがやって来て、

韓国人グループと一緒に

車で星空を見に行くが来るか?と誘ってくれた。

特にすることもなかった我々は、

もちろん参加することにした。

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