孤旅 #139 モロッコ

モロッコ ハシラビード メルズーカ 夕陽 一人旅
沈みゆく夕陽 / ハシラビード

砂漠に星を見に行く

モロッコ ハシラビード メルズーカ 夕陽
太陽が遠くの山に沈む瞬間 / ハシラビード

皆で外に出て車に乗り込む時に、

ヨンちゃんがいたので話しかけてみた。

彼女はやはり、午後から件のジープツアーに行っていたらしかった。

それならそれで 猫カフェで一言かけて欲しかったと

言いたくないこともなかったが、

悪ぶれることなく 楽しかったツアーの様子を伝えてくるので

こちらも何も言えず、

私も砂丘に登った時の様子を

少しテンション高目に話してあげた。


総勢十数名で、4WDのジープの

シートと荷台に乗り込んだ後、

ユージンは 5分ほど走った砂漠の入口付近で

我々を降ろした。

周り一帯は砂しかない場所。

光源が無いため、星が綺麗にくっきりと見える。

サハラツアーの時ほどではないが、

あまりの美しさに 少しく感動した。

ユージンは、

「 30分したら戻ってくる!」と言い残し、

車でどこかへ行ってしまった。

砂漠に取り残された我々は、

皆 思い思いの場所に寝転がって、

美しい星空を眺めることにした。


日本人は私とマリエさんしかいなかったので、

星を眺めながら、二人でずっと他愛もない話をした。

なかなかロマンチックなシチュエーションではあったが、

周りには 韓国語があちこちで飛び交っているし、

頭の上では、タイマーを使っての自撮りをしているのか、

キャッキャとはしゃぐ声が聞こえてくる。

マリエさんとは、昼に猫カフェで少し顔を合わせたくらいで

ほとんど初対面のようなものだったので、

話すことと言えば、どうしても

自己紹介代わりのこれまで巡って来た旅の話になる。

今までどんな国に行ったかとか、

モロッコには何日くらい滞在するつもりかなど、

どうしたってロマンチックには成り得ない話ばかりだった。


30分後、ユージンが車と共に戻ってきたので、

再び荷台に乗り込んだ。

宿に着くと 参加者は各々の部屋へと戻って行った。

私は マリエさんに、

「 それじゃ、また明日!」

と言って、お休みの挨拶をした。

階段で二階まで上がると、

テラスから星を眺めている者が数名いた。

さっき挨拶をしたばかりのマリエさんも

そこで足を止め、

皆と同じく夜の砂丘と

その上に輝く美しい星たちを眺めていた。

もう一度話しかけてみようかと思ったが、

さっきお休みを言った手前、

また図々しく声をかけるのが気恥ずかしく思えて、

一人 部屋へと戻った。


1日の歩数:10878歩(8.3km)

1日の出費

食費

朝夕:宿代込み

昼:55DH(ミートサンド、ミントティ)

その他

ホテル:150DH

雑費:9DH(オレンジジュース)

合計 約¥2247

1DH=¥10.5 *当時のレート

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