2016 12月1日 (木) Tanger ~ Tarifa ~ Sevilla
11月の出費について
先月の出費が 10万円を切った。
( *自分調べで、8万円台前半 )
物価の安い モロッコに滞在していたとはいえ、
破格の安さだ。
物価だけではなく、
食も、生活環境も、全てが異なるこの国を旅することで
良い気分転換にもなったし、
単調になりがちだった旅に対してのモチベーションも
回復することが出来た。
この後は、スペイン、ポルトガルに少しだけ立ち寄って、
南米に向かう予定だが、
正直に言って、残りの資金は かなり心許ない。
果たして どこまで旅を続けられるのだろうか・・・。
スペイン再訪
ついに モロッコを旅立つ日が来た。
8時前に起きて準備をし、
9時15分ごろ出発。
フロントに行ったが 誰もいなかったので、
部屋の鍵だけを
カウンターに置いて出た。
・・・・・・・・・・・・・・・
少し急いで港へ向かう。
9時25分に到着し、チケットを購入。
片道が €40 ( =約4880円 )と
さすがに それなりの値段だ。
出発時間の10時を過ぎても なかなか出港しないので、
何かトラブルでもあったのかと思っていると、
10時半ごろに ようやく船が動き始めた。
45分ほどで、スペイン の タリファ港 に到着。
本当にあっという間だ。
スペインとモロッコで時差があるため、( +1h )
忘れずにここで 時計の針を1時間進めておく。
( スペイン時間 am 12:15 到着 )
今回の入国手続きは タリファ港に着いてからだったが、
特に これと言った質問はされなかった。
シェンゲン協定のルールで言うと、
私がヨーロッパに滞在できる期間は あと6日となる為、
少し身構えていたのだが、
取り越し苦労だったようだ。
国によって 対応の仕方に違いがあるのだろうが、
スペインは その辺は割とアバウトなのかもしれない。
建物を出た後、まずは 前回行けなかった
町の南にある タリファ岬 の方へ足を延ばす。
・・・・・・・・・・・・・・・
町の最南端の部分に タリファ島 ( ラス・パローマス島 )という島があり、
その島こそが イベリア半島の最南端なのだが、
本土からは、舗装された 土手道 で繋がっている。
一応 本土と地続きになっているため、
実際は ‶ 島 ” ではなく、‶ 半島 ” と言える。
( だから ‶ タリファ岬 ” なのか?)
日本で言うと 江の島 のようなイメージだろうか。
その島まで続く土手道の 両側に海が迫っていて、
道を挟んで、東側が地中海、西側が大西洋という、
とても珍しいロケーションとなっている。
東側の海辺に降りて 地中海の水に手を浸した後、
数十秒後には 反対側の大西洋のビーチの水に足ごと浸かるという
稀有な体験が出来るのだ。
言ってみれば、一粒で二度美味しい
穴場スポットだ。
・・・・・・・・・・・・・・・
この日は 生憎 天気も曇りがちで、
海辺にも ほとんど人の姿はなかった。
土手道を南の端まで来ると、
島の入り口は 立ち入り禁止の標識と共に
門が固く閉じられている。
貼られている注意書きを見て想像する限り、
どうやら ここから先は軍の施設らしく
一般の人間は入れないようだ。
せっかくなら、イベリア半島最南端のポイントから
対岸のアフリカ大陸を見てみたかったが、
入れないのでは 仕方がない。
( *実際は、観光協会でチケットを買えば、
観光ツアーに参加する形で 入場出来るようだ。)
諦めて引き返すことにして、
土手道の途中で、前述したように
大西洋の水、地中海の水 と、
順に手で触れてみる。
何とは説明できないが、
不思議と ちょっとした満足感はある。
道沿いに並んでいるコンクリート製のベンチに座り、
道の両側に広がる雄大な景色を 一分ほど眺めた後、
セヴィリア行きのバスに乗るため
町の方に戻ることにした。
旧市街を通って、以前降りたバス・ターミナルの近くまで来た。
チケット・オフィスを覗いてみるが、
昼休み中ということで閉まっている。
貼ってあった時刻表を見ると、
すでに 12時半の便は出てしまった後で、
次の便は 午後4時の出発らしい。
今が 午後2時を過ぎたところだから、
まだ 2時間近くある。
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再度 来た道を戻って
旧市街の まだ行っていない場所を散策しても良かったが、
大きな荷物を背負って歩いてきたのもあって
今更 歩き回る気にもならなかったので、
近くの商店で サラミにパン、缶ビールを買い、
誰もいないターミナルのベンチに座り
遅めの昼食を取った。
後はひたすらバスを待つのみ。
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再開したオフィスで無事にチケットも買って、
pm 4:00 過ぎにようやく出発。
バスはノンストップで
セヴィリアへと向かった。
セヴィリア に着いたのは 夕方7時過ぎで、
すでに辺りも暗くなっていた。
予約していたホステルへ 歩いて移動する。
最初 場所が分からず、一旦宿の前を通り過ぎるも、
何とか探し当てて チェック・イン。
ドミトリー( 大部屋 )の ベッドの一つを確保し、
落ち着く暇も無く 早速外出する。
セヴィリア は以前にも訪れているので、
何となく見覚えのある場所が多く、
少し懐かしい気持ちすら覚える。
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思えば モロッコに入る前に この町を訪れたのは、
10月の初めごろだった。
あれから 2か月ほどしか経っていないが、
何だか 遥か遠い昔のようにも感じる。
モロッコでの滞在が それだけ濃厚だった
ということだろうか?。
それにしては 毎日 ダラダラと生活していたような
気もするが・・・。
モロッコ と ヨーロッパの国々とでは、
何となく 時間の流れる速さが
違っているように感じる。
この 約2カ月間、
本当に モロッコという国に魅せられていたのだと
つくづく思う。
これから 旅を進めるにつれ、
どんどんモロッコを離れていくことになるのは、
少し寂しい気持ちだった。
小さなスーパーで ビールとハム、
お馴染みのクラッカー Tuc ( 懐かしい!)を買って帰り、
ホステルの食堂で
質素な晩餐を取った。
「 やっと ヨーロッパに戻ってきたのだな・・・。」
それが、慎ましやかな晩餐を食べながら
感じたことだ。
・・・・・・・・・・・・・・・
当初 モロッコに滞在する期間は、
せいぜい 二週間ぐらいと思っていた。
ところが、物価の安さもあってか、
あまりに居心地が良すぎたため、
二週間 が 一カ月、
一カ月 が 二か月と、
どんどん期間が伸びていくことになった。
滞在中は もちろん居心地が良かったから、
ただただ 緩やかに流れる時間を
無益に貪っていたのだが、
心のどこかでは、
いつかは ヨーロッパに戻らなければ と思っていた。
モロッコに居続けるのは、
小学生が、やらなければならない夏休みの宿題を
先延ばしにしているような気分だった。
モロッコ以外の国でも もちろん行ってみたいところはあったし、
その為には、ある程度の資金を残して
モロッコを出る必要があった。
しかし、基本的にバスをメインの移動手段にしていたこともあり、
移動は遅々として進まず、
特に トドラ峡谷 以降は、
〈 いつになったらこの国を脱出できるのだろう? 〉と
我ながら訝しんでいるところもあった。
何か 底のない沼に、
徐々に 足元から取り込まれていくような感覚だ。
かと言って、途中にある町を飛ばして
先を急ぐ気にもなれなかった。
早くモロッコを出たいという気持ちと、
まだまだ この国に居たいという相反する気持ちとが、
常に 心の内に同居している状態だった。
・・・・・・・・・・・・・・・
そんなこんなで ようやく辿り着いたのが、
この地、スペインだ。
そして思えば、
続いて訪れる ポルトガルの港町 サグレス は、
私がこの旅で 本当に行きたかった、
訪問を熱望していた場所の一つだ。
長く旅をしていると、
旅へのモチベーションが失われてしまうことが
しばしば ある。
そういった場合、
行ってみたい場所があるということが、
旅を前に進める動機や原動力となるのだ。
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そんな サグレス の町に、
遂に明日 訪れることが出来る。
『 深夜特急 』好きには お馴染みの
ユーラシア大陸 最果ての地、サグレス。
今から 訪問するのが楽しみだ。
1日の歩数:15001歩( 11.5km )
1日の出費
食費
昼:€4( サラミ、パン、ビール )
夕:€4.3( ハム、ビール、TUC )
その他
ホステル:€10
交通費:€60( フェリー €40、バス €20 )
雑費:€1.3
合計 約¥9711
€1=¥122 *当時のレート
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