2016 7月28日(木) Wein
シェーンブルン宮殿
今朝起きると 少し雨がパラついていた。
夜半過ぎから朝方にかけて降っていたようだ。
肌寒ささえ感じる。
今日は観光に出ると決めていたので、
9時過ぎにはホテルを出る。
近くのスーパー( ペニーマート )でサンドウィッチを買って
通り沿いのベンチで食事を済ませ、
地下鉄の駅へ向かう。
U4 のラインに乗って、シェーンブルン駅で下車。
ここにはウィーンでも 1,2 を争う人気スポットである
シェーンブルン宮殿と、
その庭園があることで有名だ。
入り口を入ったところに券売所があり 寄ってみると、
チケットにもいろいろな種類があって、
一般的ものでも宮殿内と丘の上のグロリエッテの展望フロア、
迷宮庭園などが見学出来るもので €21.6 と、
なかなかの値段だった。
ウィーンだけで2~3日観光に来たのなら 大変お得だと思うのだが、
長期旅行中の自分からすると、
宿代の半分以上、飲み代2回分くらいの額なので
かなり悩むところだ。
とりあえず無料で入れる庭園内を歩いて回ってみることにした。
実は 迷宮庭園という
映画『 シャイニング 』に出てくる迷路のような施設に入ろうかと思っていたのだが、
それ単体でも €5.2 かかる。
実際に入口まで行って覗いてみると、
中はそこまで広い感じでもなさそうだし、
それだけのために入場料を払うのも馬鹿らしく思えてきた。
そうなると、他の施設も
別に見なくていいような気がしてくる。
わざわざお金を払わなくても、
丘の上からの眺望は見られるし、
宮殿内の装飾はおそらく豪華絢爛なのだろうが、
どうせ途中で飽きてしまうに違いない。
それにここで入らなくても これから先、
パリ近郊のベルサイユ宮殿など、
有名な宮殿は他にもたくさんあるだろう・・・
などと、何だかんだ理由を付けて退散することにした。
長く旅をするには、いろいろとあきらめることも必要だ。
その後、今度は町中心部の方に戻って
美術史美術館へと向かった。
実は、昨日ネットでいろいろ検索していて
一番テンションが上がったのが、
この美術館だった。
と言うのも、ここには ルーベンス や ラファエロ など、
名だたる芸術家たちの作品が展示されているのだが、
なかでも私が強く興味を惹かれるものがあった。
あのブリューゲル( 父 )の『 バベルの塔 』である。
私自身、特に美術に詳しいわけでも、
絵を描くのが上手いという訳でもない。
ただ、昔 私が学生だった頃、
授業中退屈な時には よく世界史や美術の教科書の絵画を見て
時間を潰したものだった。
そんな中でも、ブリューゲルの作品は
どれもがお気に入りだった。
彼の作品の特徴は、絵の美しさと言うよりも、
登場人物一人一人にまでキャラクター設定がなされているところで、
その細かい部分に着目し、
「 この人物はいったい何をしているのだろう? 」と
想像するのが、退屈な授業中の楽しみの一つだったのだ。
なかでも、『 バベルの塔 』は彼の代表作の一つであり、
とりわけ印象深いものがあった。
それを実際に生で鑑賞できるというのだ。
前回の旅でも美術館には何度か足を運んだが、
フィレンツェの ウフィツィ美術館 で観た、
ボッティチェリ作の『 春 』や『 ヴィーナスの誕生 』は、
いまだに印象深く記憶に残っている。
このような有名な作品を実際に肉眼で観るというのは、
素晴らしいことだと感動したものだった。
やはり本物に優るものは無い。
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