孤旅 #189 アルゼンチン

アルゼンチン ブエノスアイレス エル・アテネオ 世界で2番目に美しい本屋 一人旅
‶ 世界で2番目に美しい本屋 ” こと 『 エル・アテネオ 』 / ブエノスアイレス

‶ 世界で2番目に ” 美しい本屋 と レコレータ墓地 ( B.A 3日目 )

アルゼンチン
ブエノスアイレス
オベリスク
7月9日大通り
有名な7月9日大通りの オベリスク

今朝も 早目に起きてしまった。

7時ごろ、食堂の方に向かうと、

アキちゃん、シュウジ君が すでに朝食の準備をしていた。

私も何か作ろうかと思ったが、

アキちゃんが 食事を少し多めに作ってしまったということで、

有難く そのおこぼれを頂戴した。

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食後に タブレットで昨日の着信メールを確認していると、

昨夜遅くに エストニア人のラリッサから返信が届いていた。

彼女曰く、昨日一日出歩いていたので

メールチェックを怠っていたとのこと。

そして、今朝早くにウルグアイに旅立つ為、

再会出来なくて残念だ という内容だった。

今思い返すと、ラリッサは

かなりおしゃべりではあったが

なかなか面白い性格の子だったし、

エセイサ空港で出会った時も、

( 当たり前のことかもしれないが、)

年齢不詳の怪しいアジア人である私に対して

気さくに話しかけてくれた。

この B.A( ブエノスアイレス )で再び会えなかったのは

至極 残念だったが、

これも よくある旅の一期一会だと思うことにしたよう。


8時半ごろ、

今日も アキちゃん、シュウジ君と三人で外出する。

すると、いきなり気分を害するような出来事に遭遇した。

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通りに出て 100メートルと行かないうちに、

アキちゃんが 我々に小声でささやいてきた。

「 足首の辺りに 何かかけられた・・・。」

いきなりのことで、最初 何のことか分からなかったが、

アキちゃんが 止まらずに歩くようにうながすので

そのまま1ブロック程歩いたところで確認してみると、

確かに 彼女の履いている靴下の辺りに

赤い染みのようなものが確認できた。

ネットにもよく出ている話ではあるが、

ブエノスアイレスや 南米の都市では、

街中で いきなりケチャップをかけられたり、

何らかの液体をかけられたりする被害が頻発ひんぱつしているらしい。

ただの悪戯いたずらの場合もあれば、

心配する振りをして近寄ってきて、

ハンカチやティッシュで拭いてあげている隙に

後ろから もう一人の人間がスリを働く

といったようなケースもあるようだ。

( いわゆる ケチャップ強盗 というヤツだ。)

今回は 周りに人もいなかったように思えたし、

近寄ってくる者もいなかったので

その動機はよく分からないが、

実は彼女、昨日も単独行動をしている際に

同じような被害を受けたという。

( 我々と両替に行って 解散した後のことだ。)

それも ブエノスでは 比較的治安の良い地域でのことらしい。

宿に着いた初日、

ホステスの ヨウ子さんに注意喚起はされていたが、

実際にこうやって被害にあった話を聞くと、

やはり 身近なことなのだと改めて実感する。

長く旅行をしていると、

自分が旅の上級者だと思い始めて、

どうしても〈 自分だけは大丈夫!!〉といった

自己肯定バイアスがかかってしまいがちだ。

日本は 世界でも有数の治安の良い国だし、

日本以外の多くの国がそうではないというのは

( 悲しいことだが )紛れもない事実だ。

それは 私自身、色々な国を旅してきて

身をもって体感してきたことでもある。

海外を旅するからには、

アルゼンチン ブエノスアイレス 地下鉄
市内を地下鉄で移動 /ブエノスアイレス

常日頃から 気を付けて行動しなければならないと

改めて感じる出来事だった。

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それにしても

朝っぱらから 気分の悪くなる話だ。


気を取り直して、三人で地下鉄に乗り

コロン劇場 へ向かった。

次の日曜日に行われる

大規模な合唱のイベントがあるらしく、

そのチケットを 今日 無料配布しているらしいのだ。

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アルゼンチン
ブエノスアイレス
コロン劇場
世界三大劇場の一つ コロン劇場 / ブエノスアイレス

7月9日大通りのオベリスク近くにある

コロン劇場( テアトロ・コロン )は、

100年以上の歴史がある 有名なオペラ劇場で、

最大収容人数は約2500人。

パリのオペラ座、ミラノのスカラ座 と共に

世界三大劇場の一つに数えられている。

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普段 この由緒ある コロン劇場 の内部を見学するには、

数万円もする演目のチケットを買うか、

ガイド付きツアー( 有料 )に申し込むしかないのだが、

たまに無料のチャリティ・イベントを行っているらしく、

そのあたりの事情に詳しい アキちゃんに誘われて

我々も出向いたという訳だ。

有名な劇場であるから、

チケットもすぐ売り切れ( とは言っても無料だが・・・ )てしまうのではないかと

用心して 早目に宿を出たのだが、

劇場に着くと、まだ1時間前だというのに、

配布場所の辺りに すでに列が出来ている。

しかし、早出したのが功を奏してか、

並んでいるのは せいぜい10名ほどで、

早速 列の最後尾に加わった。

我々が並んだ後にも 徐々に人が増え始め、

次第に 列は伸びていく。

1時間ほどすると、

ついにチケットの配布が始まった。

先着何人までなのかは知らないが、

10 番目だった我々は

難なく チケットを Getゲット !!!

あまりにあっさりもらえたので

少し拍子抜けだったが、

並んでいる人の中には 行き届かなかった人もいたようなので、

今回は 誘ってくれたアキちゃんに感謝だ。


アルゼンチン
ブエノスアイレス
『 エル・アテネオ 』
世界で2番目に美しい本屋
まるでオペラ劇場のような本屋
『 エル・アテネオ 』

その後、別に行きたい場所があるというシュウジ君と別れ、

残った 私とアキちゃんの二人で、

‶ 世界で二番目に美しい ” と言われている本屋に向かった。

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何故 世界で二番目なのか?

一番じゃ ダメなのだろうか?

( どこかの政治家が言いそうなセリフだ。)

うたい文句とすれば、多少大袈裟でも

一番と言っておいても良さそうなものなのだが、

とにかく ‶ 世界で二番目 ” なのだそうだ。

では 世界一位はどこなのかと言うと、

オランダの小さな町にある本屋らしい。

誰が決めたものかは分からないが、

世界三大○○などが乱立している昨今、

先に言ったが勝ち みたいな風潮があるのは否めない。

だが、いずれにしても、

そう言われるに値するほどの

たいそう美しい本屋なのだろう。

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しばらく歩くと そのお目当ての本屋、

『 エル・アテネオ( グランド・スプレンディッド )』に到着した。

後で調べたところによると、

ここは元々劇場だった建物を

ほぼそのままの形で書店として改装した場所だそうで、

かつて イギリスの新聞『 ガーディアン紙 』に

‶ 世界で二番目に美しい本屋 ” として紹介されて

有名になったとのこと。

オペラ劇場のような内装はきらびやかで、

その空間にいると、確かに今本屋にいることを

忘れそうになるほどだ。

3階建ての建物は 吹き抜けになっていて、

地下に繋がるエスカレーターの存在も相まって

アルゼンチン
ブエノスアイレス
『 エル・アテネオ 』
階上
『 エル・アテネオ 』階上からの眺め

広々とした空間に感じる。

特に何を買うということではないが、

中を見学してみた。

陳列されている本は もちろん購入することも可能だが、

いかんせん ほとんどがスペイン語で書かれたもので、

何とはなしに 店内をブラブラ冷やかすだけではあったが、

独特の雰囲気を楽しむだけでも

来た価値はあったような気がした。

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