2016 11月26日 (土) Casablanca
旧市街に私物を売りに行く
今日も雨がちな天気だった。
ここのところ 3日連続の雨だ。
流石に外に出る気も失せてくる。
だが、今日は一つ
やるべきことがあった。
10時ごろから外出。
今日は メディナの中を散策する予定だったが、その前に、
そろそろ懐が寂しくなってきたこともあり、
日本を出る時 予備で持ってきた マイクロSDカード( 320GB ) と、
USBメモリ( 32GB )を
どこかで売ってしまおうと画策する。
・・・・・・・・・・・・・・・
旅先で私物を売る。
このアイデア自体は、
私が敬愛する 沢木耕太郎 著の有名な旅行記、
『 深夜特急 』に由来する。
主人公の ‶ 私 ” が 東南アジアかどこかの国で
徐々に資金が減っていくことに不安を覚え、
資金繰りのため、日本から持ってきた手持ちカメラを
地元のマーケットに持って行く場面がある。
最終的に ‶ 私 ” が カメラを手放すことは無かったが、
これを読んでいた当時、
「 旅先で金策に困った時、
いざとなれば 持ってきている高価そうなものを
現地で売れば良いのか!」
と 思ったものだった。
・・・・・・・・・・・・・・・
であるから これらの物は、
旅をしている間も、
田舎から都会に遊びに来た中学生が 靴の底に隠した千円札の如く、
最期の拠り所というか、
どうにもならなくなった時用の
「 保険 」のようなものと感じていた。
今回持参した マイクロSDカードとそのカートリッジ、USBメモリは、
日本で買った際、
3000円 から 5000円ほどで購入したものと
記憶している。(*2016年当時 )
実際 売れたところで 1日分の食費にもならないかもしれないが、
それでも 1日食いつなぐことは出来るし、
もしかしたら 意外な高値が付く場合もあるかもしれない。
・・・・・・・・・・・・・・・・
そんな 淡い期待を胸に、
街中を歩きながら
それらしきものを扱っていそうな店を探す。
ちょうど ビルの1階を繰り抜いた商店街の中に
PC 等の電子機器を主に取り扱っている商店があったので、
勇気を出して店員に聞いてみた。
しかし、やはり パッケージされた新品の物しか
取り扱ってくれないらしく、
裸の状態では話にならない( そもそも 言葉が通じない )ようだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・
考えてみれば 当然のことだ。
これだけ近代化が進んだ都市なら、
表立った街中にある商店で、
中古で 出所の分からないメモリなど
買い取ってくれるはずがない。
沢木耕太郎が旅していた 40年前ならいざ知らず、
今は2016年だ。
アフリカにも近代化の波は
確実に押し寄せてきているのだ。
だが、表がダメならば、裏がある・・・と、
次に メディナ( 旧市街 )の方へと足を延ばす。
ほどなく、メディナの入り口に到着。
内部を散策しながら 取り合ってくれそうな店を探そうかと
思っていた矢先、
門の手前で 知らない男に話しかけられた。
彼は メディナの中にある土産屋の店主で、
客引きのつもりで声をかけてきたのだろう。
渡りに船だ。
せっかくなので、彼に事情を話し、
知り合いの電気屋に連れて行ってもらうことにした。
・・・・・・・・・・・・・・・
付いて行くと、そこはずらっと電気屋が並ぶ商店街で、
私は その内の一軒に連れて行かれ、
この辺りを仕切っている ボスだという男に紹介された。
しかし、持参した 32GB のマイクロSDカード と、
それを USBとSDカードに繋げられるアダプターを見せてみるが、
全く取り合ってくれない。
言葉が通じないこともあり、取り付く島もないので、
とりあえず その場を後にし、
連れてきてくれた土産屋の男に話を聞いてみる。
彼が言うには、
「 1個や2個では 商売にならない。
100個や200個でないと・・・。」
とのこと。
・・・・・・・・・・・・・・・
別に 商売をしに来たわけではないのだが・・・。
入り口で声をかけられた時、
これ幸いとばかりに付いて行ったのが仇になったか。
あの男が この界隈を仕切っているボスだとすると、
他の店を一軒一軒回るのも バカらしくなってきて、
この町で これらの物を売るのは あきらめることにした。
とんだ 骨折り損だ。
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その後、メディナの奥の市場にある食堂で
昼飯用の魚のフライとパンを買って
一旦宿に戻った。
しばらく部屋で過ごす間も、
外は雨が降ったり止んだりで
はっきりしない天気だった。
夕方4時ごろ再び出かけて、気分転換に、
昨日とは違う映画館で 地元モロッコの映画を観る。
( フランス語の原題が『 Les Papiers D‛amour 』
*翻訳アプリによると ‶ ラブ・ペーパー ” 。「 ラブレター 」の意か? )
冒頭の海外での場面では 英語での会話だったのが、
主人公がモロッコに戻ってからは
やはり現地の言葉にフランス語の字幕が付く仕様で、
ほとんど内容が掴めなかった。
以下、私なりに解釈したストーリー。
・・・・・・・・・・・・・・・
サラ という男の主人公が
ヒロイン宅に侵入する強盗を倒すが、
なんやかんやで無実の罪を着せられて、
その後、ヒロインが自殺を図りそうになり 生還するも、
結局 主人公は 幼馴染の女の子を選んだ。
・・・・・・・・・・・・・・・
このように、自分で書き出してみても
何の話なのか よく分からない。
( もちろん ここに書いたストーリーは私が想像したものなので、
実際の話は ぜんぜん違うものという可能性は
否定できない。)
私も 海外で馴染みのない言語の映画を観ることに関しては、
それなりに経験を積んでいるので、
分からないなら分からないなりに、
何となく推測でストーリーを理解して楽しむことが出来る人間と
自負しているのだが、
今回の作品は、全くもって引っかかる部分が無く、
コメディ か シリアス かも判然とせず、
久々に 何も刺さらない映画だった。
やはり 分かり易いアクションやコメディの方が
個人的には楽しめるようだ。
映画館を出ると すでに外は暗くなっていて、
近くのファストフードでケバブサンドを食べた後、
国連広場を散歩して帰った。
そんなこんなで、
今日は 久々に何もない1日だった。
そして、とても寒かった。
遂に この国にも冬が来たのを
肌で感じるこの頃だ。
1日の歩数:10237歩( 7.8km )
1日の出費
食費
昼:10DH( 魚のフライ、パン )
夕:31DH( ケバブサンド、コーラ )
その他
ホテル:100DH
入場料:25DH ( 映画『 Les Papiers D‛amour 』)
雑費:( カフェオレ 10DH )
合計 約¥1936
1DH=¥11 *当時のレート
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