孤旅 #200(番外編) 香港、マカオ

香港 旺角 Nathan Rd 夜 アジア 一人旅
夜のネイザン・ロード / 旺角(モンコク)駅 付近

プロローグ(準備から出発まで)

香港、マカオ編
成田空港
出発ロビー
出発前
成田空港 出発ロビーにて

今回の旅行を計画するに思い至ったのは

いつ頃だっただろうか?

詳しい時期は忘れてしまったが、

確か 昨年の暮れぐらいには 周りの人たちに、

「10日ほど 香港とマカオに行ってくる!」

と 宣言していたから、

それよりも もっと前の段階で

決めていたものと思われる。

・・・・・・・・・・・・・・・

久々の長期休暇。

そして、コロナ禍の時期を挟んで、

実に8年ぶりの海外だ。

前回の旅行(2016~2017年)では、

8カ月ほどかけて

ヨーロッパや北アフリカ、南米を旅した。

その時に比べれば、10日間という期間は

さほど長いものではないが、

それでも、普段労働に勤しんでいる一般的な日本人の私にとっては

十分に長いとも言える。

そんな長期休暇を取るに当たって、

出発するまでに やらなければならないことが

いくつかあった。

上司への報告や、周囲の同僚への根回しなど、

色々やることはあったが、

何よりもまず 実家に帰っておく必要があった。

別に旅行資金の無心をするためではない。

〈海外に旅行する暇があるのに、

数時間で帰れる 地元になぜ帰ってこないのか?〉

という 家族の極めて真っ当な意見を

払拭ふっしょくするためだ。

確かに、ここ2~3年 実家には帰っていなかったから、

良いタイミングではあった。

両親も高齢に差し掛かっており、

旅行に行っている間に

何か不測の事態が起きないとも限らない。

「親に顔も見せずに海外を遊び歩いていた・・・。」

という 自分自身への後ろめたさを解消する意味でも、

出発の前のタイミングでの

帰省が必要だった。


年が明けて間もなく 無事に帰省を済ませ、

両親の健康と無事を確認出来た。

普段から なかなか実家には

寄り付かないので、

「どういう風の吹きまわしか!?」と、

いぶかしむ向きも無くは無かったが、

久々に息子の顔を見て 素直に喜ぶ親の姿を眺めるにつけて、

「いつも親不孝しているな・・・。」という自責の念が

少なからず芽生えた。

しかし、それと今回の旅行計画とは

また別の話だ。

・・・・・・・・・・・・・・・

東京の自宅に帰ったその日に

飛行機と現地の宿の手配に取り掛かった。

それが 2月の後半ごろ。

手配と呼べるものは おおよそそれだけで、

後は 心の準備に時間を費やした。

2年前に、九州地方を一週間ほど旅した時のこと。

出発の直前に 仕事上でちょっとしたミスをしてしまったため、

それが尾を引き、旅行中 100パーセント

手放しでは楽しめなかったことがあった。

その時のことを思い出して、

香港
香港島
中環
セントラル
トラム
街中を走る二階建てのトラム / 香港島 中環(セントラル)付近

職場(接客業)では どんな理不尽なクレームにも

耐えたし、

(無論 極力クレームを貰わないのは 当然のことだが・・・。)

大きなトラブルを起こさないように

注意に注意を重ねた。


そうこうしている間に

出発の日が近付いてきた。

香港、マカオには過去何度か訪れているので

特に観光地を調べたりということはしなかったが、

その代わりに『恋する惑星』やドラマ版の『深夜特急』など、

香港が舞台となっている映像作品をDVDなどで鑑賞して

気持ちを高めた。

出発の一週間くらい前から

具体的に必要なものを調達し始める。

これまでの経験があるので

それほど難しいことではなかったし、

旅先で何が必要かに考えを巡らせることは

それ自体 楽しい作業だった。

購入したものの例としては、

洗濯をした時に必要なハンガーを掛けるヒモや

可変式のコンセントプラグ等々。

一回分ごとに小分けになった粉末の洗剤は

見つけられなかったが、

そういった細々としたものは

現地でも揃えられるだろう・・・といった具合だ。

それらを実際に使う時のことを考えるだけでも

心が躍った。


出発前 最後の休日の後は、

週末3日間続けての勤務となった。

勤務時間も長く、内容もハードで、

身体的な疲弊は感じたが

気持ちは上がったままだった。

最期の出勤が終わった夜、

前日までに洗濯を済ませていたので

あとは寝て起きて 出発するだけの状態になった。

しかし、なぜか この時点においても

少しの高揚感はあるものの、

今ひとつ 旅に出ると言う実感は沸いてこなかった。

何せ 8年ぶりの海外だ。

そう言えば8年前の出発前夜も

マカオ
聖ポール天主堂跡
ライトアップ
歴史地区
夜の聖ポール天主堂跡 / マカオ歴史地区

似たような感じだった気がしてくる。

何となくソワソワして、

地に足が付いていない状態すらも

楽しんでいる自分がいた。

・・・・・・・・・・・・・・・

「よし!この感じだ!」

この時 すでに

旅は始まっていたのかもしれない。

ただし 本当の楽しみはこれからだ。

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