
十数年ぶりに香港へ

搭乗ゲートは 96番。
pm4:20 から搭乗予定だったが、
20分遅れで搭乗開始。
座席は3-3の6列シートだ。(ABC-DEF)
私の席はE席なので、
D席とF席に挟まれる格好だ。
両脇には 香港人の女性が座る。
窓側が若い女性で、
通路側は年配のご婦人。
元来 人見知りの私は、
向こうから話しかけられない限り
こちらから話しかけることはしないし、
各々 ヘッドホンをしたり
本を読んだりしているので、
特に気を使う必要も無さそうだ。
だが、如何せん 席が狭い上、
隣りが女性ということもあり
このご時世、身体的な接触を避けるという意味で
無暗に動くわけにもいかず、
若干 窮屈ではあった。

飛行機は 30分ほど遅れて、
pm5:30 に出発。
私自身 飛行機に乗ることに
さほど抵抗はないのだが、
久々の長いフライトということもあって
若干の不安があった。
そして、その不安は
現実のものとなる。
・・・・・・・・・・・・・・・
何せ 機内ですることがない。
今回の便には 席ごとのモニターは付いていないので
暇つぶしに映画を観る訳にもいかず、
こんな時のために
文庫本の『深夜特急』の香港、マカオ編を
手元に持ち込んでいたのだが、
たまに乱気流があるので
まともに読むことすら出来ない。
ネット環境が無いので、
サブスクで映画も見れない。
おまけに 寝不足と気圧の変化によってなのか、
ずっと頭が痛くて 寝るに寝れない。
「機内でたっぷり寝ればいいや。」くらいの感じで
寝不足で挑んだのが間違いだった。
体調管理をしてこなかったのが原因なので
自業自得ではあるのだが、
とにかく苦痛な5時間のフライトを
耐え忍ぶしかなかった。
本当にヘヴィーな時間だった。
4時間半が経過し、
やっと 到着前の機内アナウンスが流れ始めた。
しかし、出発の時間が押していたこともあり、
到着時間も30分遅れるとのこと。
元々の到着時刻が pm9:00 予定(時差-1時間)だから、
30分遅れとなると
到着は pm9:30 ということだ。(当たり前だ!)
しかし、ここで
突如 不安に思うことが出てきた。
・・・・・・・・・・・・・・・
〈そう言えば、今夜泊まる宿に何の連絡もしてなかったな・・・。〉
・・・・・・・・・・・・・・・
一応 24時間対応のホテルとは聞いているが、
こんなに遅い時間になって
大丈夫だろうか?
一泊ではなく四泊で押さえてあるし、
宿泊代も すでに支払い済みだから、
さすがに no-show ということにはならないだろうが、
万が一ということもある。
旅行者としては 到着が極端に遅くなる場合、
前もってホテルに連絡するのが
マナーというものだろう。
少なくとも 日本においてはそうだ。
もし no-show 扱いになった場合は
どこに泊まれば良いだろう?
近くにサウナの施設があったから
最悪はそこに泊まろうか・・・・、
などと 不安が不安を呼び
要らぬ代案まで考えてしまう。
もちろん 機内では、
携帯の通信は切って機内モードにしているから、
メールを打つことも出来ない。
そんな感じで 不安を募らせている間に
飛行機は着陸態勢に入る。
ちょっとした不安を抱えた中での
香港上陸だ。
無事 香港国際空港に到着。
到着時刻は pm9:35。(時差-1時間)
しかし、ここからがまた長い。
私の座席は、
全体の真ん中よりもやや後ろといったところ。
着陸後 しばらく滑走路を移動し、
機体が完全に止まった後も
出口のある前の方の列に 一向に動きが無い。
出来れば 早目に外に出て、
空港の無料Wi-Fiに繋いで
宿に連絡を入れておきたいところ。
焦っても仕方ないのだが、
そうは言っても やはり気が気ではない。
そんなことを考えていると
やっと前のハッチが開いたらしく、
徐々にではあるが
人の列が動き始めた。
ここで、ふとあることに気付いた。
狭い通路を移動する際の
香港の人たちのマナーについてだ。
前の列の奥側に座っている人(この場合、窓側のA席とF席)が
通路に出ようとするのを、
後ろの列の人たちは待っていてあげるのだ。
我々日本人こそ こういった譲り合いの精神が
強いイメージがあるが、
最近では日本人も 個人主義の人が増えてきて、
昔ほど顕著ではないような気がする。
待っていてくれる人もいるにはいるが、
大半は 我先にと進んで行ってしまうのではないだろうか。
私自身も早く出たいが為、
荷物を抱えて身構えていた部分があった。
香港の人たちが、中国本土の人たちよりも
むしろ日本人に近いメンタリティーを持っていることは
知っていたが、
こうまで律儀に順番を守る人たちとは
思わなかった。
(もちろん その中には日本人も含まれていたとは思うが・・・。)
感心したと同時に、自分も含め、
日本人も もっとしっかりしないといけないなという
自責の念に駆られた。
ようやく 機内を脱出すると、
ターミナルへの送迎バスが待ち受けていた。
何のことはない、
急いだところで 結局バスで移動するのだから、
少しばかり早く出ようが
大して変わりはなかったのだ。
ますます 焦っていた自分が
恥ずかしくなる。
外はすでに暗くなっていて、
気温も湿度も
東京より だいぶ高いように感じる。
このうだるような空気と、

遠くに見えるターミナルの薄ぼんやりとした灯りに、
「あぁ また海外に来たんだなぁ・・・。」と、
なんだか懐かしい気持ちになる。
これでやっと、十数年ぶりに
香港の地に足を踏み入れることが出来た。
・・・・・・・・・・・・・・・
~ 香港、マカオ編(1日目)Part② に続く ~

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