
香港 初の晩餐

彌敦道 を南下し、
油麻地の地下鉄駅を通り過ぎると
やっと 今晩泊まるホテルの看板を発見。
ドアを開けたグランドフロア(G階)の
エレベーター前にいる守衛のオジサンに声をかけると、
フロントは1階(日本で言う2階)とのこと。
エレベーターで ‶1階”に上がると
目の前がフロントになっていた。
若い女性スタッフが 一人で受付をしていて、
早速チェックインの手続きを済ませる。
到着する前は、
遅い時間になった事をひと言詫びようかと思っていたのだが、
向こうは 特に気にする風でもないので
止めておいた。
彼女の態度から察するに、
やはり 私のように深夜近くに到着する客には
常日頃 慣れているようだ。
部屋のカードキーを渡されて、
再びエレベーターに乗る。
部屋は4階(日本の5階)のシングルルーム。
一人用のベッドにトイレ、シャワー付きで、
思っていたより狭くて古いのを除けば
いたって普通の部屋だ。
エアコンもあるし、
お湯を沸かすケトルもある。
映らないものの、
壁付きの液晶テレビもあった。
アメニティも一式揃っている。
予約サイトに載っている
だいぶ加工して ‶盛られた” 写真と比べると
さすがに数段見劣りするが、
この香港の一等地で
日本円で8千円ちょっとで宿泊できるのだから
文句は言えない。
ただ、シャワールームのあまりの狭さには

面食らう部分もあった。
洋式トイレの横に洗面台と鏡があって、
その壁にシャワーのノズルが付いているだけなので、
本当に申し訳程度のスペースしかない。
日本ではなかなか見ない形式だが、
普段お湯を張って入浴する習慣のない香港では
これがごく一般的なものらしい。
初めて日本から訪れる人には
衝撃的な狭さかもしれない。
・・・・・・・・・・・・・・・
だが、それがまた良い気がする。
・・・・・・・・・・・・・・・
日本では当たり前のことが、
海外では当たり前でないというのは
よくあることだ。
日本に暮らしていると、
何不自由なく暮らしていても
なかなかその快適さに気付かなくなってしまう。
それに 国によって慣習の違いがあるので、
そもそも その不便さ自体気にかけていないことも
多々あるのだ。
以前海外を転々と旅行している際にも
こんな具合だった気がする。
多少の不満はあれど、
それにどんどん自分から適応していくのが
楽しかったし、
改めて 日本の良さに気付くことも
多かった気がする。
要は 全てが ‶経験”ということだ。
そんな初歩的な気持ちを思い出して、
少し懐かしい気持ちになった。

すでに 11時半を過ぎていたが、
腹も空いていたので
外へ出ることにした。
やはり この時間でも空いている店が多く、
貴金属を扱っている店の店頭には、
呼び込みと言うか、接客のスタッフが
ちゃんとした正装で立っていたりする。
この時間に これだけ活発に街が活動しているとは、
コロナ禍以降の日本では 考えられないことだ。
日本でもバブル時代の東京などは
案外 こんな感じだったのかもしれない。
地図で確認すると、
ホテルの裏が あの夜市で有名な
廟街 の終点部分に当たるらしい。
確か 以前にも何度か来たことがあるエリアだ。
案の定、まだ店仕舞いしていない庶民的な食堂が
数件あったので、
そのうちの適当な一軒に入る。
早速 注文しようとするが、
店員のおばあさんに英語で話しかけるも
いまいち要領を得ない。
イギリスの統治時代が長かったため
比較的に英語が通じると言われる香港ではあるが、
下町や 郊外などでは通じないのは
日本と同じようなものらしい。
メニューを見ても内容が分からないので、
店の前にある看板の写真を直接指差して
注文する。
頼んだのは、
塩味の中華そばに海老のワンタンが入ったもの。
そばとは言っても
麺はビーフンに似た食感で、
いまいち麺にスープが染み込んでいない。
その代わり ワンタンには大きな海老が入っており、
その海老から出る出汁の旨味が存分に発揮されていて、

なかなかの美味だった。
この『海老ワンタン塩そば』に 350ccのコーラで
香港$45(=約830円)。
そこまで高くはないが、
十数年前に訪れた時には、
この辺りの安食堂なら、感覚的には
この半分くらいの金額だった気がする。
2~3品頼んで ビールを添えても
千円行かなかったイメージだったのだが、
やはり時代の流れといったところだろうか・・・。
当時に比べて 日本円の価値も下がってきているし、
この辺も すっかり観光地化して
物価自体が上がっているのだろう。
この店に限った事ではなく、
どの店を見ても 一品$50(=約925円)以上のところばかりのようだし、
以前のような感覚で、
値段はさほど気にせず、
何でも気になった物を適当に頼むといったことも
難しいようだ。
物価が高くなったとは聞いていたが、
こういった街の食堂は別と
勝手に思い込んでいた節があったので
少なからず ショックだった。
円安の影響もあるが、
日本の国力自体が落ちてきているのを
まざまざと見せつけられたような気持ちになった。
部屋に戻って
改めてシャワーを浴びる。
日記を書くべきなのだろうが、
寝不足な上、フライトでの頭痛が未だに治まらず、
それどころではない。
とりあえず 日記は後回しにして
今日は早目に休むことにした。
明日の予定も
明日考えれば良い。
それだけの時間はたっぷりある。
とにかく 長い一日だった。

・・・・・・・・・・・・・・・
睡魔に身を委ねながら、
ネオン輝く煌びやかな夜の香港の街並みが
脳裏に浮かんでは消える。
夜の香港の街を十数年ぶりに歩くのは
感慨深くもあるし、
何もかもが 新鮮に映った。
やはり香港は、私にとって
「魔都」と呼ぶに相応しい街だった。
1日の歩数:15280歩(10.7km)
1日の出費
食費
昼:日本;¥2660(豚丼、ビール)
夕:香港;$45(海老ワンタン塩そば、コーラ)
その他
ホテル:$454
交通費:日本;¥1300(~成田)
香港;$34.6(空港~旺角)
雑費:日本;¥560(水、お菓子)
香港;$12(水×2)
合計 約¥14614
香港$=¥18.5 *当時のレート

- 2025年7月
- 2025年6月
- 2025年5月
- 2025年4月
- 2025年3月
- 2025年2月
- 2025年1月
- 2024年12月
- 2024年11月
- 2024年10月
- 2024年9月
- 2024年8月
- 2024年7月
- 2024年6月
- 2024年5月
- 2024年4月
- 2024年3月
- 2024年2月
- 2024年1月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年9月
- 2023年8月
- 2023年7月
- 2023年6月
- 2023年5月
- 2023年4月
- 2023年3月
- 2023年2月
- 2023年1月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年9月
- 2022年8月
- 2022年7月
- 2022年6月
- 2022年5月
- 2022年4月
- 2022年3月
- 2022年2月
コメント