弧旅 #207 (番外編) 香港、マカオ

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茘枝公園にある邀月亭(東屋) / 深圳

メトロに乗って 日帰りで 深圳しんせん へ (4日目) Part①

香港
旺角東駅
メトロ
運賃
羅湖
境境の羅湖駅までの運賃表。片道$41.6(=約770)/ 旺角東駅

朝早く起きて身繕いをし、

今日は隣町の 深圳しんせん に日帰りで出かける。

am 10:00 に出発し、

歩いて 旺角モンコック東駅 へ向かう。

20分ほどで到着。

ここからメトロに乗って、香港側の州境である

羅湖駅(Lo-Wu)まで乗車する。

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御存じのように、

香港は 中国の特別行政区である。

中国とは地続きのため

電車やバスで往き来することが出来るが、

州を超えるには 州境を越えなければならない。

いわゆる ‶国境″のようなものだ。

‶国境″というからには

ちゃんと入国、出国審査(入境、出境審査)もあれば

税関もある。

陸路での国境超えは何度か経験があるが、

何度経験しても緊張するものだ。

この日も ワクワクする気持ちと、

少し不安な気持ちの両方を抱えながら

現地への到着を待った。

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香港
深圳
羅湖駅
越境
出境審査
羅湖駅到着後は上の看板に従って進む。
日本人(外国人)はオレンジの看板の方へ!

羅湖駅到着後、改札を抜け、

香港の出境審査へと向かうも、

何故か指定された窓口を何度も間違えてしまう。

表記が 若干じゃっかん 分かりづらかったのもあるが、

少し緊張しているせいかもしれない。

審査自体はあっさりしたもので、

免税店エリアを通り抜け、

次は 深圳の入境審査へ。

ここでは、受け付けする前に

簡単な入境書類を書くと共に、

専用の機械で自らの指紋を登録しなければならない。

こんなものまでセルフで済ませられるようになっているとは、

少なからず驚いた。

ATM のような機械にパスポートのICチップを読み込ませながら、

センサー部分に両手の親指、人差し指から小指まで

といった感じでそれぞれの指を押し当てて登録をしていく。

これでパスポートと指紋が紐づけされて、

入出国(入出境)の際の

身元確認の際の手続きが簡略化されるのだそうだ。

何度も言うようだが、

本当に便利な世の中になったものだ。

何とか登録を済ませて、

入境審査の外国人専用レーンに並ぶ。

ここもそれほど混んではいなかったが、

私を含め あまり指紋認証や顔認証に慣れてない人が多く、

けっこう時間がかかった。

遂に私の番が来た。

キリっとした感じの女性の検査官から、

「滞在は 今日一日だけですね?」

と聞かれたので、

「そうです!」

と 勢いよく答えると、

あっさり通してくれた。

入境審査の後には税関があったが、

ここはほぼ素通り。

何とか 深圳市に入境を果たした。


香港、マカオを除いた中国本土への上陸となると、

約15年ぶりになる。

当時は世界一周旅で、アジアを廻っている最中だった。

あれから15年の間に

中国は GDP で日本を上回り、

世界の役回りという意味でも

アメリカに次ぐ 大国の地位を

着実に築き上げてきた。

中でも この深圳は発展著しく、

今や 中国3番目の都市とも言われている。

まさに この十数年の

中国の躍進を象徴するような町だ。

そんな時代の流れもあって、

今回 時間とタイミングがあれば、

是非訪れてみたいと思っていた場所だった。

この15年で、

中国がどれだけ変化しているかというのを

この目で見ておきたかったのだ。


中国
深圳
羅湖口岸駅
州境
深圳側の羅湖口岸駅。中国本土上陸は15年ぶり。

しかし、私のそんな高尚な思惑とは裏腹に、

深圳側の 羅湖口岸駅 の建物を出ると、

いきなり中国の洗礼を喰らってしまった。

目の前には 中国の警察組織

公安の職員が3人いて、

それぞれに 刺又さすまた のような棒を持って

常に周りを監視している。

タクシーの呼び込みなのか、

いきなり知らないオジさんが大声で話しかけてくる。

駅の隣りにある商業ビルに入ろうとすると、

そのビルのセールスレディのようなオバさんが、

商品のカタログを手にして

しつこく話しかけてくる。

こちらも慣れたもので

いつものように塩対応をカマすのだが、

本当にしつこくて、

店の中まで横並びで付いてきてしまう。


普通なら そこで嫌気がさしても良さそうなものだが、

心の中で、密かに興奮しながら

こう呟いている自分に気付く。

「 やっぱり、こうでなくっちゃ!!!」

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そう、こうでなくっちゃ!!!

15年前に中華圏を3か月かけて旅した

あの時の感覚が蘇ってくる。

或いは それは東南アジアを旅していた時に

感じたものかもしれないし、

インドの片田舎に滞在した時のものかもしれない。

駅を出ると人混みがあり、

呼び込みに話しかけられて

それを掻き分けて進む。

ひっきりなしにセールストークをされ、

それを無視しようとしても

相手はお構いなしで話しかけてくる。

現地の人々は 観光客に群がり、

良いカモになりそうなターゲットを探して

目をギラつかせている。

観光客は それに騙されまいと

常に周囲を伺いながらも、

何とか 安くて快適な宿や交通手段を

確保しようとする。

中国
深圳
羅湖口岸駅
広場
商業ビル
羅湖口岸駅前の広場。正面の商業ビルには食堂やショップのテナントが多数入っている。

そんな 原初的な風景。

決して日本にいる時には味わえない

高揚感。

それこそが 私が旅に求めるものなのだと

改めて気付かされた瞬間だった。

この遠征、

幸先が良さそうだ。

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