
2025 4月18日 (金) Hong Kong ~ Macau ①
九龍城砦公園へ (5日目)

朝からしとしと雨が降っていた。
そこまで強い雨ではなかったが、
今日はフェリーでマカオへ移動する日なので、
運航に影響がないか少し心配だ。
午前中は特に予定も無かったので、
雨が降っている中、出かけるかどうか迷ったが、
九龍城砦公園に行ってみることにした。
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九龍城砦公園は、その昔 東洋一のスラム街と言われた
九龍城砦 があった場所だ。
1960年代から1970年代にかけてはスラム化が進んで、
不法移民が住み着き、
麻薬の売人など、犯罪者たちの巣窟となっていた。
その怪しげなイメージから、
映画やドラマの舞台として取り上げられることも多く、
最近では 日本でも九龍城砦を舞台とした
漫画やアニメがあったりと、
ここに来て 何かと注目を集めているスポットだ。
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本国 香港で記録的な大ヒットを収め、
日本でも 応援上映などで話題になった、
『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』を鑑賞したばかりの私としては、
行ってみたかった場所の一つだ。
しかし、現在は建物も撤去され、
中国式の綺麗な庭園になっているらしく、
当時の面影はほとんどないとのこと。
行ってみて本当に何もない公園だったら
どうしようかとも思ったが、
午前中は特にすることもないので、
とりあえず出かけてみることにした。

/ 九龍城砦公園
am11:00 ごろにホテルをチェック・アウト。
この時、初日にデポジットとして払っておいた
$300(=約5550円)を
クレジットカードで払い戻してくれた。
何だか少し得した気分だ。
フロントで荷物を預かってもらい、
意気揚々と宿を出発。
目の前の ネイザンロード を渡ったところにある店で
肉まんを買って 軽い食事を取る。($8=約150円)
蒸したての肉まんはボリュームがあって
なかなかの美味。
油麻地 駅から①番ラインのメトロに乗って
樂富(Lok Fu)駅まで移動。
地上に出た後、サッカー場がある大きな公園を通り抜け、
広い道路(聯合道)を南へ進む。
しばらく坂を下っていくと
それらしき公園に着いたのだが、
改修中なのか、工事用の壁が周囲に張り巡らされている。
〈これは失敗したかもな・・・。〉と思いつつ、
とりあえず中に入れそうなところはないかと
時計と反対周りに壁沿いを進んで行く。
交差点を左に折れてしばらくすると、
九龍プラザ というショッピングモールを発見。

右奥に進むと九龍城砦公園に続いている。
更に進んで行くと、
やっと入り口らしい門が見えてきた。(賈炳達道公園
)
入って右手には東屋 があるのだが、
遊歩道の左側には壁が続いていて、
それが公園の大半を覆っている様子。
「いよいよ見学は難しそうだな・・・。」と、
半ば諦めながら道なりに進んで行くと、
敷地の右奥の方に もう一つ公園があるのに気付いた。
歩いていると、道沿いに九龍城砦の内部の様子を描いた
簡易的な壁画が展示されていた。
当時の城砦内の様子を想像させられる。
小さな入り口(側門)から入ると、
これまでの現代的な公園とは打って変わり、
園内は清朝時代の庭園を模した
中国式回遊庭園になっていた。
どうやら、ここがかつて「東洋の魔窟」と恐れられた
九龍城砦の跡地、
『九龍城砦公園』らしい。

早速 内部を散策してみる。
少し歩くと北側にちゃんとした造りの門(乾門)があった。
観光客らしき人はほとんど見かけなかったが、
‶聖地巡礼″で訪れていると思しき女性二人組が
門を背景にして写真を撮っている。
古風な佇まいのしっとりとした雰囲気の公園ではあるが、
ネットの書き込みにもある通り
特に目立った特徴はなく、
知らずに訪れたら素通りしてしまいそうな場所だ。
それでも、中心部にあるお寺のような建物の回廊には、
九龍城の成り立ちや歴史を記す写真が飾られており、

かつてここに、前述の映画で見たような
独特で奇怪なコミュニティが実在したのだということを
少しだけ実感することが出来た。
今後、九龍城砦を舞台にした作品に触れた際には、
この公園のことを思い出すだろう。
そう思えるだけでも
訪れた甲斐はあったようだ。

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