孤旅 #122 モロッコ

モロッコ シャウエン カスバ アイン門 一人旅
カスバの入口 アイン門 / シャウエン

中国人の家族に出会う

モロッコ
シャウエン
山間部にある町 シャウエン

バスは ひたすら田舎の山間部を走り続ける。

山間部と言っても、日本のように至る所に緑が生い茂っている訳ではなく、

何もない すれっからしの土と岩だけのところだ。

スペインの南部辺りも荒涼としているなと感じたが、

さすがにここ、北アフリカは

スペインのそれとは規模が違う。

こんな時は イヤホンで、

奥田民生の『 荒野を行く 』を聞きながら

車窓からの景色を眺めるに限る。

乾いたサウンドと、ワイルドかつ哀愁ある歌声が

胸と耳に染み入る。


バスは途中 テトゥアンという大きな町を経由し、

シャウエンには pm2:00 ごろ到着。

3時間半かかると聞いていたが、

バス会社によって違うのかもしれない。

何故か山道の途中で降ろされて、

何となく街の中心に向かって歩き始めるが、

自分が町のどの辺にいるのか まるで分からない。

通りすがりの外国人のカップルに道を尋ねると、

今自分達も カスバ( 城塞に囲まれた区域、街 )に戻るところだから、

タクシーに相乗りしようと提案してくれた。

乗車後、宿のある通りの名前をドライバーに伝えると、

大体の場所なら分かるとのこと。

カップルはドイツから来たらしく

昨日乗った時はかなりボラれたが、

今回の10DH( 約100円 )は、ほぼ適正な金額らしい。

私は半分の5DH(約50円 )だけ出して降ろしてもらい、

親切なドイツのカップルとはそこで別れた。

助かった・・・と思ったのも束の間、

ここだと降ろされたものの

ホテルの位置が分からない。

降り際に、ドライバーがあの建物だと教えてくれた建物は、

どう見ても普通のアパートのようで、

どこにも看板のようなものが出ていない。

近くの住人に聞いてもはっきりしないので、

とりあえず そのアパートの上階へ行ってみることにした。


階段を上って 4階のそれらしき扉を叩くも、

何の反応もない。

一度階段を降りると、

親切そうな地元のオジサンがいたので聞いてみるが、

やはりそこで間違いないと言う。

もう一度4階まで上り ドアをノックすると、

今度は中国人の若い女性が出てきた。

聞くところによると、

ここもホテルの一室だが いわゆる別館で、

本館は別のところにあるとのこと。

その娘も本館に用事があると言うので、

一緒について行くことにした。

階段を降り少し歩くと、

何と、タクシーが止まった目の前の建物が

その本館だった。

まったく 余計な体力を使ってしまった。


何とかホテルのスタッフにも会えて、

部屋に案内された。

中国人の女の子も本館の方に移るという事で、

ロビーで少し話をした。

娘は父親ら家族と一緒に旅行しているらしく、

家族とは別に自分だけが別館にいたのだが、

今日からこちらに移れるようになったらしい。

父親は少し日本語が話せると言っていた。

その父親らしき男が隣りの部屋から出てきたので、

話しかけてみると

実に流暢な日本語を話す。

何でも バブル時代に日本で働いていたことがあるらしく、

4年間ほど東京に住んでいたそうだ。

今現在は家族で北京に住んでいるとのこと。

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シャウエン
ブルーシティ
人が行き交うカスバ内の小路 / シャウエン

シャウエンには昨日から滞在しているらしく、

スマホの地図機能を使って、

日本語で丁寧に町の見所まで紹介してくれた。


世間話も落ち着いたところで、

一旦部屋に入って一息ついた後、

シャワールームで溜まっていた洗濯物を済ませ、

夕方までしばし休憩することにした。

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