孤旅 #126 モロッコ

モロッコ フェズ 迷宮都市 小路 一人旅
ミステリアスな小路が入り組む街 / フェズ

2016 10月8日 (土) Fez

ルシフ門の少年( フェズ 2日目 )

モロッコ
フェズ
マルーク門
マルーク門( Bab Mahrouk )前の広場 / フェズ

昨夜は変な時間に起こされたが、

その後はぐっすり眠ることが出来た。

ファンが使えないと言っても

夜は外も涼しく 寝るにはちょうど良かった。

10時ごろから外へ出る。

昨日の天気とは打って変わり、

素晴らしく晴れ渡っている。

目に入る景色も いかにもイスラム圏に来たといった感じで、

散策し甲斐がありそうだ。


モロッコ
フェズ
市場
バイクや荷車が行き交う市場

まずは ブー・ジュルード門の隣にある

マルーク門( Bab Mahrouk )から城壁の中へ。

Nouar Kasbah に入ってみたが、 内部はとても狭く、

これと言って観る所もなさそうだったので

すぐ引き返す。

メイン通りの一つ、Talaa Kbira 通りをひたすら歩いて行く。

突き当りの アッタリン神学校( Al Attarine Madrasa )を右手に折れ、

更に下り坂の狭い小路を進むと、

市場のような通りや 小さなモスク、カラウィーイーン大学などを経て、

金属類を造っている鍛冶屋が集まる広場に出た。( サファリーン広場 )

流石 迷宮都市フェズだけあって

道が入り組んでいるため、

一旦脇道に逸れてしまうと突き当りだったり

全く別のエリアに出てしまう。

何度も引き返しては進む を繰り返していると、

同じところをグルグル回っているような錯覚に陥ってくる。

ここに来るまでにも だいぶ多くの時間を要した。


近くに川があって、そこを渡ると

ルシフ門( Bab Rcif )の前の広場に出た。

広場の端の方が 大きな石段で出来たアリーナのようになっていて、

休憩がてらそこに座って 何となく広場を眺めていると、

12~13歳くらいの少年が話しかけてきた。

少年はしきりに、

「 ウシカワ!ウシカワ!」と言ってくるが、

何のことか さっぱり分からない。

よくよく聞いてみると、

どうやら 皮なめし工場(=牛皮 ) を見に行かないかと

誘っているらしかった。

( そう言えば、ここに来るまでにも

何度か違う客引きに 似たような言葉をかけられたが、

そういう意味だったのだ・・・。)   

客引きに工場に連れていかれて

チップを払うよう要求されるという話を聞いていたので、

皮なめしに何の興味もなかったこともあり

もちろん誘いは断った。

しかし その後も少年は、

「 レストランはどうだ? 」とか、

「 サハラ砂漠には行ったのか? 」

などと、流暢な英語で話しかけてくる。

実際 私よりも上手いくらいだ。

そこに ふと向こうの方から、

フランス人らしき女性二人組がやって来た。

二人が石段の下の方に腰掛けると、

少年は今度はフランス語で彼女たちに話しかけ始めた。

少年は 彼女たちと面識があるらしく、

二言三言 会話した後、

私のところに戻って来て

小声で、「 Woman is husband !」と囁いた。

つまり二人が、いわゆる同性愛のカップルだと言いたいらしい。

よくよく話してみると、

彼は英語、フランス語の他に、

イタリア語、スペイン語も 少しだけなら分かるようだ。

要は外国からの観光客相手に客引きをしている間に、

それだけの言語を、

あいさつ程度のちょっとした会話が出来るくらいには

覚えてしまったらしいのだ。

私は 急にその少年に興味が湧いてきた。

彼に、「 サハラには行った事があるのか? 」

と聞いてみた。

すると、自分は元々ベルベル人で、

サハラ砂漠に住んでいたのだと言う。

そこまで話すと、私が何の勧誘にも乗って来ないと察したのか、

近くで遊んでいた同年代の子供たちに交じって

自分も遊び始めた。

したたかではあるが、

やはり中身はまだまだ遊び盛りの子供なのだ。

私が腰を上げると、再度

「 ウシカワは?! 」と聞いてきたが、

モロッコ
フェズ
ルシフ・モスク
Bab Rcif
ルシフ門
ルシフ門前の広場とルシフ・モスク / フェズ

今度は本気で誘っている訳ではなさそうだった。

ここで初めて少年に名前を聞いてから、

「 また明日! 」と言って別れた。

少年の名前は ‶ カリム ” 。

暇があれば また明日会いに来てみよう。

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