2016 12月3日 (土) Sagres
ユーラシア大陸の最南西端 サン・ヴィセンテ岬 へ
今朝は 6時ごろ目が覚めた。
起きる直前に 変な夢を見た。
詳しい内容は覚えていないが、
古い友人や知り合いが出てくる
何となく 不安になる夢だった。
旅行中、こういった夢を
これまでにも 何度か見た覚えがある。
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現在、私は 海外を心の赴くまま
好き勝手に放浪している、
言わば 自由気ままな身分だ。
しかし、自由過ぎる身というのも
案外 不安が付きまとうものなのだ。
常に残りの資金を気にしながらの生活だし、
貴重品の管理などにも
日本にいる時以上に 気を使わなければならない。
何より、日本に帰った後のことを考えると、
漠然とした不安が 時折り頭をよぎることがある。
旅を始めた序盤は、
日頃の人間関係や、仕事のタスクから解放されたことへの
充実感だけで、
ただただ 毎日が楽しいだけの日々だった。
しかし、旅も終盤近くなってくると
それとは裏返しの感情が 徐々に台頭してきて、
最終的には どうやって旅を終わらせようかと考え始めるのは、
前回の旅でも 同様だった。
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そんな 不安定な心理が、
夢にも影響しているのかもしれない。
昨日書きそびれた日記を付けたり
ネットで調べ物をしたりしていると、
10時を過ぎてしまったので、
そろそろ出かけようかと準備をするも、
強い雨が降り出してきたので
一旦待機。
ここのところ ずっと雨が続いている気がする。
11時半ごろ ようやく少し雨足が弱まったところを見計らって、
思い切って外出することにした。
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今日はどうしても
‶ 世界の果て ” と言われる
サン・ヴィセンテ岬 へ行きたかった。
『 深夜特急 』の作中で 、
‶ 私 ” こと 沢木耕太郎が訪れた場所だ。
玄関を出て、宿の目の前の通りを
海を左手に見ながら ひたすら西へ歩く。
岬へと続く一本道は、
途中 左に緩やかなカーブを描きながら
延々と続いている。
出発した時 ほとんど止んでいた雨が、
岬が近付くにつれ 強い風を伴い、
まるで台風のように 降り注いでくる。
他に歩いている者など もちろんいない。
辺りには 私一人だけだ。
悪天候の中、懸命に歩を進めると、
左に古いお城のような建物が見えてきた。( べリーチェ砦 )
少し気にはなったが、何せ 強い風に激しい雨。
ひとまず素通りすることにして
そのまま岬の先端の方へ進むと、
道の先に ようやく灯台が姿を現した。
せっかく 辿り着いたは良いが、
あいにくの天気だ。
カッパの下に厚着をしてきたものの、
完全に体は冷え切っている。
これほどヒドくなるとは 予想していなかった。
灯台の敷地は そこまで広くはなかったが、
ちょっとしたカフェと、
ギフトショップが併設されている。
冷えに冷えた体を、
自販機で買ったカプチーノで温める。
少し体もほぐれたところで、
ギフトショップで 記念の ティー・スプーン と バッチを購入。( €5.3=約650円 )
要らぬ出費だったが、
思い焦がれていた念願のサグレスだ。
少しくらいは贅沢しても良いだろう。
このスプーンで いつか コーヒーでも淹れて
悦に浸りたいものだ。
( *残念ながら、ここで買った ティー・スプーン は、
旅行中、何かの拍子で折れてしまった。
日本へ帰国後、
ここで買ったスプーンで淹れたコーヒーか紅茶を飲みながら
当時の記憶を振り返りたかったが、
それが出来ないのが悔やまれる。
とても 残念だ。)
しばらく休憩した後、
灯台の外の断崖の縁を歩いてみる。
強風に飛ばされぬよう気を付けながら、
険しくゴツゴツした岩場から眼下の海を見下ろし
感慨に耽る。
まさに 『 深夜特急 』で
沢木耕太郎 が見た風景だ。
ひとしきり眺めて、満足したところで
再び出発。
また同じ道を引き返すことにした。
歩き始めた矢先、雨が急に弱くなってきた。
ふと 振り返ると、
岬の先の空が 徐々に明るくなってきている。
〈 何で 帰ろうとした途端に晴れるんだよ!!〉
雨のせいで あまり見栄えの良い写真が撮れていなかったので、
一瞬 また引き返そうかと思ったが、
わざわざ戻るのも面倒だし、
これもこれで良い経験か と思い直し
そのまま帰ることにした。
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