孤旅 #183 ポルトガル

ポルトガル サグレス サグレス要塞 サグレス岬 夕陽 一人旅
サグレス岬( サグレス要塞 )から見る夕陽 / サグレス

ユーラシア大陸の最南西端 サン・ヴィセンテ岬

ポルトガル
サグレス
サグレス要塞
サグレス岬
部屋から見える サグレス要塞の城壁 / サグレス

今朝は 6時ごろ目が覚めた。

起きる直前に 変な夢を見た。

詳しい内容は覚えていないが、

古い友人や知り合いが出てくる

何となく 不安になる夢だった。

旅行中、こういった夢を

これまでにも 何度か見た覚えがある。

・・・・・・・・・・・・・・・

現在、私は 海外を心のおもむくまま

好き勝手に放浪している、

言わば 自由気ままな身分だ。

しかし、自由過ぎる身というのも

案外 不安が付きまとうものなのだ。

常に残りの資金を気にしながらの生活だし、

貴重品の管理などにも

日本にいる時以上に 気を使わなければならない。

何より、日本に帰った後のことを考えると、

漠然ばくぜんとした不安が 時折り頭をよぎることがある。

旅を始めた序盤は、

日頃の人間関係や、仕事のタスクから解放されたことへの

充実感だけで、

ただただ 毎日が楽しいだけの日々だった。

しかし、旅も終盤近くなってくると

それとは裏返しの感情が 徐々に台頭してきて、

最終的には どうやって旅を終わらせようかと考え始めるのは、

前回の旅でも 同様だった。

・・・・・・・・・・・・・・・

そんな 不安定な心理が、

夢にも影響しているのかもしれない。


ポルトガル
サグレス
サン・ヴィセンテ岬
灯台
一本道
サン・ヴィセンテ岬の灯台へと続く道 / サグレス

昨日書きそびれた日記を付けたり

ネットで調べ物をしたりしていると、

10時を過ぎてしまったので、

そろそろ出かけようかと準備をするも、

強い雨が降り出してきたので

一旦待機。

ここのところ ずっと雨が続いている気がする。

11時半ごろ ようやく少し雨足が弱まったところを見計らって、

思い切って外出することにした。

・・・・・・・・・・・・・・・

今日はどうしても

‶ 世界の果て ” と言われる

サン・ヴィセンテ岬 へ行きたかった。

『 深夜特急 』の作中で 、

‶ 私 ” こと 沢木耕太郎が訪れた場所だ。


ポルトガル
サグレス
サン・ヴィセンテ岬
べリーチェ砦
サン・ヴィセンテ岬への道中にある べリーチェ砦 / サグレス

玄関を出て、宿の目の前の通りを

海を左手に見ながら ひたすら西へ歩く。

岬へと続く一本道は、

途中 左に緩やかなカーブを描きながら

延々と続いている。

出発した時 ほとんど止んでいた雨が、

岬が近付くにつれ 強い風を伴い、

まるで台風のように 降り注いでくる。

他に歩いている者など もちろんいない。

辺りには 私一人だけだ。

悪天候の中、懸命に歩を進めると、

左に古いお城のような建物が見えてきた。( べリーチェ砦 )

少し気にはなったが、何せ 強い風に激しい雨。

ひとまず素通りすることにして

そのまま岬の先端の方へ進むと、

道の先に ようやく灯台が姿を現した。


ポルトガル
サグレス
サン・ヴィセンテ岬
灯台
ユーラシア大陸の最南西端
ようやくたどり着いた サン・ヴィセンテ岬の灯台。ユーラシア大陸の最南西端。 / サグレス

せっかく 辿り着いたは良いが、

あいにくの天気だ。

カッパの下に厚着をしてきたものの、

完全に体は冷え切っている。

これほどヒドくなるとは 予想していなかった。

灯台の敷地は そこまで広くはなかったが、

ちょっとしたカフェと、

ギフトショップが併設へいせつされている。

冷えに冷えた体を、

自販機で買ったカプチーノで温める。

少し体もほぐれたところで、

ギフトショップで 記念の ティー・スプーン と バッチを購入。( €5.3=約650円 )

らぬ出費だったが、

思い焦がれていた念願のサグレスだ。

少しくらいは贅沢しても良いだろう。

このスプーンで いつか コーヒーでもれて

えつひたりたいものだ。

( *残念ながら、ここで買った ティー・スプーン は、

旅行中、何かの拍子で折れてしまった。

日本へ帰国後、

ここで買ったスプーンで淹れたコーヒーか紅茶を飲みながら

当時の記憶を振り返りたかったが、

それが出来ないのが悔やまれる。

とても 残念だ。)


しばらく休憩した後、

灯台の外の断崖のふちを歩いてみる。

強風に飛ばされぬよう気を付けながら、

険しくゴツゴツした岩場から眼下の海を見下ろし

感慨にふける。

まさに 『 深夜特急 』で

沢木耕太郎 が見た風景だ。

ひとしきり眺めて、満足したところで

再び出発。

また同じ道を引き返すことにした。

歩き始めた矢先、雨が急に弱くなってきた。

ふと 振り返ると、

ポルトガル
サグレス
サン・ヴィセンテ岬
灯台
ユーラシア大陸の最南西端
灯台自体は至って普通。建物の内部には入れなかった。

岬の先の空が 徐々に明るくなってきている。

〈 何で 帰ろうとした途端に晴れるんだよ!!〉

雨のせいで あまり見栄えの良い写真が撮れていなかったので、

一瞬 また引き返そうかと思ったが、

わざわざ戻るのも面倒だし、

これもこれで良い経験か と思い直し

そのまま帰ることにした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました