弧旅 #207 (番外編) 香港、マカオ

深圳 茘枝公園 邀月亭 茘湖 東屋 一人旅
茘枝公園にある邀月亭(東屋) / 深圳

懐かしの中国式庭園(茘枝れいし公園)

中国
深圳
茘枝公園
茘湖
LITCHI PARK
邀月亭
茘枝公園入り口付近から。橋の上にある東屋は邀月亭。/ 深圳

公園は思った以上に広かった。

入り口から入るとすぐに

湖にかかる橋の上の立派な東屋あずまやが目に入る。

邀月亭 と呼ばれるその建物は、

以前 私が見た中国の景色を思い起こさせた。

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15年前に旅をしている際、

新しい街に着く度によく訪れたのが、

中国の昔の佇まいを感じることの出来る

大きな公園だった。

中国の大多数の都市には、日本同様、

当然のことながら大きな公園があって、

そこが市民の憩いの場となっていた。

それぞれに独自の名前が付いた

観光名所のような公園の場合もあるが、

そうでない場合でも、

中山ちゅうざん公園』というのが 必ず街の中心部にあって、

そこに行けば 色々な人に出会え、

観察することが出来た。

昼は 老人たちが麻雀やバックギャモンのような卓を並べて

賭け事に興じているのが常だったが、

週末の夜ともなれば、

公園は うたげの場と化した。

中国
深圳
茘枝公園
茘湖
邀月亭
もちろん橋を渡って東屋にも行ける。

バドミントンやフリスビーをする者もあれば、

太極拳をする者やジャンボリー・ダンスに参加する者、

カラオケ大会をしているかと思えば、

派手にライトアップされた噴水を眺めてたたずむカップルもいたりする。

若者だけではなく、中高年や老人も多く、

子連れも多く見かけた。

まさに老若男女、全員参加の

うたげ″そのものだった。


当時の私は、そのあまりの賑やかさに

大きなカルチャーショックを受けた。

こういった場所が、家族との団欒だんらんの場や、

人と人との出会いの場として機能しているのだと、

率直に羨ましく感じたりした。

そしてその光景は、

どこか懐かしさを感じさせるものだった。

日本に住んでいる限り、

そんな経験をしたことはないはずなのだが、

その ‶経験したことのない懐かさ″が

私の胸を強く打った記憶がある。

その風景に、何故か強い郷愁を感じたのだ。


中国
深圳
茘枝公園
カンナの花
茘湖
蓮の葉やカンナなど緑も豊か。/ 茘枝公園

気を取り直して公園を歩いてみると、

思っていた以上に癒されている自分に気付く。

前述した橋の上の東屋や、半円形にせり上がった橋。

湖上に浮かぶ蓮の葉や、

湖沿いに咲き誇っているカンナの花。

公園の奥の方に行ってみると、

小さな東屋が立ち並ぶ中、

ポーカーやバックギャモンをしている老人たちに出くわした。

本当に懐かしい。

15年前ですら どこか懐かしく感じていたこうした風景を、

心のどこかで 強く欲していた自分に気付く。

同じ中華圏ということで

つい同一視してしまっていたのだが、

やはり 香港と中国本土には、

明らかな違いがあるのだ。

私が今回の香港旅行に期待していたものが何だったのかを

改めて理解出来た気がした。

そうなってくると、

この深圳という都市の、

荒々しい部分や、乱雑な部分が

とても愛おしく思えてくる。

中国
深圳
茘枝公園
茘湖
橋
半円を描く珍しい形の橋。景色を眺めながら湖の畔で休憩出来る。

やはり 今回の深圳への遠征は

正解だったようだ。

(ただし、公園の公衆トイレで用を足した際の

トイレットペーパーが、

日本や香港ではついぞ見ることのない

粗悪な品質のものだったのには、

心底 辟易へきえきしたが・・・。)

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~ 香港、マカオ編(4日目)PART②に続く ~

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