日本サッカーの未来
黄金世代の1人である元日本代表MF ヤットこと遠藤保仁が、
以前 Youtube の何かの企画で2人の話題になった際、
『 この2人に日本人みんなが夢を見た。』
というような内容の発言をしていた。
その後 フル代表でも共演することの多かった2人だが、
ワールドカップのような大きな大会では
不思議とどちらかがケガや未選出で、
共に出場したドイツワールドカップも
チーム自体細かい戦術が無く低調だった上、
エースの俊輔も体調不良で本領発揮できず、
世界の強豪相手に2人が躍動する姿を見られなかったのは、
非常に残念なところだ。
しかし、この2人に 中田ヒデ、
そして黄金世代を加えたシドニー五輪世代に、
日本サッカーの明るい未来を夢見た人は多かったと思う。
コンフェデレーションズカップのような
親善試合と公式大会の中間のような試合では、
フランスやブラジルとも互角に渡り合うこともあっただけに、
余計に期待を膨らませてしまったこともあるが、
やはり ワールドカップのような本当の真剣勝負の大会とは
別物と捉えるべきだろう。
我々はなぜこの2人にこれほどまで魅入られたのか。
2人に共通するのは、
やはり 高い技術をベースにしたプレイスタイルで
世界で渡り合おうとしたところだろう。
中田のような強靭なフィジカルも無ければ、
現代表の 伊東純也 のような圧倒的なスピードもない。
むしろ守備の当たりも弱く、
タックルもヘディングも得意ではない。
体格の大きさやフィジカルの強さに対を成すものとして、
脆さや繊細さとともに発揮される圧倒的なテクニックと
クリエイティビティこそが、
ファンタジスタの真骨頂であり、
それを最も体現していたのが
この2人だった。
シドニー五輪のアジア予選に話を戻そう。
1次予選を難なく通過し最終予選を戦うことになった日本は、
カザフスタン、タイと本選出場をかけて、
ホーム&アウェイで戦うこととなった。
1次予選では参加しなかった中田ヒデも合流し、
対戦相手との力関係も考慮され、
中盤のフォーメーションは 2トップ下のダブル司令塔ではなく、
ボランチを2枚にして2トップ下に中田、
左サイドのワイドに俊輔という形に変更された。
( 小野は先の予選フィリピン戦での悪質なタックルで負った大怪我で離脱。)
俊輔は、言わば中田の復帰により
中央からサイドにはじき出された形だ。
( この起用法は以降2002年ワールドカップ直前まで継続された。)
慣れない左サイドでもがきながらも、
何とか自分のストロングポイントをアピールしつつ
トップ下での起用を切望する俊輔と、
そのトップ下で、イタリアで揉まれた経験とフィジカルを駆使し
圧倒的な存在感を示す中田。
初戦と2戦目を勝利で飾り、
事実上の本選出場決定戦となったホームでのカザフスタン戦。
この試合こそが、私を俊輔マニアにした決定的な試合であり、
あらゆるサッカー関係者が、
日本サッカーの未来に大きな可能性を見出した試合であった。
それほどこの試合の彼らは逞しく、
俊輔はその才能を余すところなく日本中に見せつけた。
そんな、日本サッカーの
明るい未来を予感させる一戦だったのだ。
・・・#4へ続く
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永遠のファンタジスタ
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