私的 ベスト・バウトをご紹介
これまで数多の名勝負が繰り広げられてきた FIFAワールドカップ。
第1回のウルグアイ大会から始まって、
今回のカタール大会は22回目を数えるが、
その中から 私が個人的に記憶に残っている試合『 ベスト5 』(+日本代表編)を、
振り返っていきたいと思う。
* 今回は日本代表編です。
⑥ 2018年 ロシア大会 ベルギー × 日本 ( Round of 16 )
【1】日本代表史上最も印象的な試合
日本代表史上最も劇的で印象に残る試合はどれか。
そう聞かれた時の答えは、
年代や環境によってかなり分かれるだろう。
例えば ドラマティックな試合で言えば、
1993年の有名な『ドーハの悲劇 』のイラク戦や、
2000年、アジアカップ・レバノン大会決勝でのサウジアラビア戦。
同じく2004年、アジアカップ中国大会での劇的なPK戦を制したヨルダン戦。
あるいは、1998年のワールドカップの初戦、アルゼンチン戦、
2002年大会の初の勝ち点を奪ったベルギー戦、
同じく初勝利を上げたロシア戦など、
代表にとってメモリアルな試合。
また、ゲーム自体の質や強豪国相手に善戦したという観点から言うと、
コンフェデ2003年のフランス戦や、
コンフェデ2005年のブラジル戦。
あるいは、常に白熱した試合になる、
ライバル韓国との日韓戦の数々。
オリンピック世代やユース世代まで含めると、
今までに数え切れないほどの名勝負、熱戦が繰り広げられてきた。
つい最近まで、私の中で最も印象的だった試合は、
日本が初のワールドカップ出場を決めた、
1997年に行われた フランス大会のアジア地区第3代表決定戦、
俗に言う『 ジョホールバルの歓喜 』で知られる
中東の強豪 イランとの対戦だった。
事前に行われた最終予選からの流れが劇的だったこともあり、
また 試合自体、点を取って取られてのシーソーゲームで、
試合中のもエース 三浦カズ の途中交代や、
新エース 中田ヒデ の獅子奮迅の活躍ぶり、
途中交代の 岡野 のゴールデンゴールなど、
全てがドラマティックで、
サッカーの面白さが凝縮された試合であった。
しかし、2018年ロシア大会において、
この『 ジョホールバルの歓喜 』に勝るとも劣らない
名勝負が演じられた。
2018年ワールドカップ・ロシア大会
決勝トーナメント一回戦。
後に『 ロストフの悲劇 』と呼ばれる試合、
優勝候補ベルギーとの死闘である。
【2】ベルギーとの再戦
周知の事だが 大会前、日本サッカー協会は
前監督の ハリルホジッチ を解任し、
サッカー協会技術委員長だった 西野朗氏 を後任に据えた。
開催2か月前の大英断であった。
グループリーグ初戦、
前回大会1-4と大敗したコロンビアに大金星を挙げ、
2戦目の難敵セネガルとは引き分け。
ポーランド戦では 終盤、
0-1で負けている状態での時間稼ぎのパス回しが
世界中に賛否の渦を巻き起こした。
しかし、雨降って地固まるの言葉通り、
急な監督交代の緊急事態に 却ってチームは団結し、
細かい戦術云々よりも、
もともと選手たちの持っていたポテンシャルを活かそうとするサッカーが
対戦相手にハマったこともあり、
無事グループリーグを2位通過。
決勝トーナメント初戦で
グループG 1位通過のベルギーと対戦することとなった。
最終的にはセネガルをフェアプレーポイントで上回っての通過で、
まさに薄氷を踏むような思いでの勝ち上がりだった。
相対するはベルギー。
過去、2002年の日韓ワールドカップでは、
グループリーグ初戦で対戦し2-2で引き分けている。
その時のベルギーはヨーロッパの中堅国といった印象でしかなかった。
しかし、今回対戦するのは、
ベルギー史上最強と謳われる強豪チーム。
アザール、デ・ブライネ、ルカク、クルトワ など、
攻守にワールドクラスのタレントを揃えた
まさに黄金世代と呼べる選手達だ。
今大会では、初戦からパナマ、チュニジアを軽々と ‶ 粉砕 ” し、
両チーム決勝トーナメント進出を決めた状態で挑んだ
3戦目のイングランド戦は、
メンバーを落として戦うも1-0で勝利し1位通過。
同国初のワールドカップ制覇に向けて、
順調に勝ち進んできた。
トーナメント初戦の相手は格下の日本。
ここは簡単に退けて、
次戦ベスト8で相見えるであろう最大の難関、
ブラジル戦に向けて弾みをつけたいところだった。
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