The Smashing Punpkins 来日記念!武道館ライブをレポート(25.9.17)

日本武道館 スマパン スマッシング・パンプキンズ 音楽
遂に25年ぶりのスマパンのライブへ / 日本武道館

「スマパン」との出会い

武道館
スマパン
スマッシング・パンプキンズ
入り口
開演前
開演4時間前。まだ人はまばら。

The Smashing Punpkins(通称:「スマパン」)が

久々に来日するというニュースを聞きつけ、

チケットを取ったのが5月の事。

12年ぶりの来日、

武道館での公演は25年ぶりとのことだった。

スマパンは 2000年の解散以降、

リアルタイムで追っていた訳ではなかったが、

何故か 今回に関しては

すぐに食指が動いた。

私自身、『サイアミ~』と『メロンコリー~』については

飽きるほど聴いた世代だが、

普段 洋楽フェスや有名な洋物バンドの単独に参加するような

タイプではない。

今回の来日に飛びついたのは、

それが、〈25年ぶりの武道館公演〉だったからだ。

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そう、何を隠そう

私も その25年前の武道館でのライブに参加した

オーディエンスの一人だったのだ。


時は1990年代後半、

まだ インターネットが今ほど普及していなかった時代。

サッカーの日本代表が、

ジョホールバルで初のワールドカップ出場を

ギリギリで勝ち取り、

フランス・ワールドカップ本選で活躍した中田英寿が、

当時世界最強と言われた

イタリアリーグ:セリエAに移籍することになった。

当時勢いのあった某有料チャンネルが

中田の所属するACペルージャの放映権を獲得した流れで、

お金さえ払えば、海外サッカーを手軽に楽しめる機会が

一気に増えた。

当時の私はいわゆるフリーターで、

チャンネル契約するほど余裕はなかったが、

バイト先の友人が少し裕福な家系で

そのチャンネルを契約していた為、

毎週末 その友人宅に入り浸っては、

海外で一人奮闘する日本の若者の姿に

声援を送っていたものだった。

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その有料チャンネルでは、サッカーだけではなく、

他にも様々な海外の番組を見ることが出来た。

その中に、海外アーティストのミュージックビデオを

一日中流しているチャンネルがあった。

皆さんご存知の MTV だ。

サッカーを見る合間には、

プレステのウイイレで対戦をして過ごし、

それも飽きると、気まぐれにMTVをザッピングしては

海外のミュージック・ビデオを垂れ流していた。

その時出会ったのが、スマパンだった。


日本武道館
スマパン
スマッシング・パンプキンズ
The Smashing Punpkins
開演前
訪れるのは約1年ぶり。9月とは言え、まだまだ残暑は厳しかった。

実は 当時の私は、

オアシス、ブラーに代表されるブリッド・ポップ勢を

好んで聞いていて、

凝り性な性格が災いしてか、更に時代を遡って

元祖英国式ひねくれポップ、

XTCにドハマりしていた。

故に、グランジやオルタナティブの知識などは皆無で、

ニルヴァーナですら

名前を知っている程度だった。

そんな中、その友人が、

「これ、良いよ!」

と薦めてくれたのが

スマパンの ‶Tonight,Tonight″のMVだった。

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絵本の中のような世界観と、

ボーカル(ビリー)の異様なたたずまい、

荒々しいドラムをバックに奏でられる美しいギターの旋律に

一気に心を奪われるまで、

多くの時間はかからなかった。

バンドがお気に入りになってからは、

他のMVやアルバムを聴きあさり、

‶Today″のMVでは、(ジェームズ・イハの衣装含め、)

現代に先駆けて

人間の多様性に気付かされた。


思い返せば バブルが弾けて数年が経ち、

就職氷河期と呼ばれた時代。

終末論がまことしやかに語られ、

ノストラダムスの大予言を

まるで確実に起こることのように

信じている者もいた。

要は 初めて体験するミレニアムを前に

皆どこかで不安を感じていたのだ。

私も学生時代からのモラトリアムを発症し、

一丁前に世間を呪ったりしたものだ。

(そんな青臭い自分が好きだったのだと

今になると分かる。)

そんな何とも言語化出来ない感情を代弁してくれたのが

スマパンだった。

鬱屈した内面の感情を 歌うことで解放してくれる

ビリーの姿は、私の心の支えとなり、

イハの生み出す美麗なメロディーは

焦燥する気持ちを穏やかなものにしてくれた。

ジミーの力強いドラムを聴くことで、

未来への希望を見出した。

一方、バンド内に女性メンバー(ダーシー)や

日系人(イハ)がいることから

どこかキャッチーな印象を受け、

バンドを肯定的に捉える一助になっていたことも

事実だった。

言ってみれば、当時の私には

全てがピッタリとハマったのだ。


そんな折、

スマパンが 来日して武道館公演をやると知った私は、

その友人と共にチケットを予約し、

二人でライブに参戦することになった。

それが 2000年6月30日、

約25年前の出来事だ。

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その日のライブは特別な体験となった。

今となっては どの曲をどんな順番で演奏したのかなどは

全く覚えていないのだが、

一通りの有名なレパートリーは聴けたのと、

最後に アンコールで出てきた彼らが、

アコースティック・バージョンの ‶1979″を演奏したのだけは

はっきりと記憶している。

実はこの時 すでに

バンドは年内を持って解散すると発表されていた。

スキャンダルによるメンバーの脱退や

興行的なセールスの不振も相まって、

メンバーの仲もギクシャクしているという噂もあり、

この最後のいきな演出も

何となく湿っぽい印象を受けた記憶がある。

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つまり、私にとっては

不完全燃焼だったということだ。


バンドは2000年末に解散するも、

数年を経た後、ビリーの呼びかけによって

2006年に再結成を果たす。

しかし、時代の流れもあってか

以前ほどの人気を得られず、

当の私も 一度覚めてしまった熱が戻ることはなく

現在に至る。


今回、スマパンが再来日を果たすまでに

12年もの月日を擁したのは、

2013年に日本で行われた音楽フェスでの

観客とのトラブルが原因らしい。

(詳しくは ネットなどを検索すると出てくるが、

ここでは省略。)

道理で最近彼らの動向を

耳にする機会がなかった訳だ。

しかし、今回は12年ぶりというレアな来日。

日本武道館
武道館ライブ
スマパン
スマッシング・パンプキンズ
The Smashing Punpkins
オリジナルメンバー 3人のアーティスト・ビジュアルは胸アツ!

しかも、武道館での公演は

あの2000年のライブ以来と来れば、

参加しない手はない。

前回 どこか消化不良だった部分も含めて

今回こそリベンジを果たそうと、

参戦することを決めたのだった。

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