THE LAST OF US Part2 ~ nature ~ #3

ラスアス Left Behind エリー ライリー メリーゴーランド ショッピングモール ゲーム
The Last of Us® Remastered / Left Behind より

エリー を操作するということ

ラスアス2
ジョエル
エリー
恐竜博物館
エリーやジョエルの体験が そのままプレイヤー自身の体験になっていく
/ The Last of Us® Part II より

*以下『 ラスアス1 』『 ラスアス2 』のネタバレを含みます。

ゲームでは、しばしば強制イベントというものがあります。

プレイヤーが何らかの操作をしなければ

( 時にプレイヤーがその行動を望んでいなくても、)

ゲームが進行しない場面のことです。

これは、その後のシークエンスに必要なデータに移行するためのポイント という

ゲームのシステム的な側面もありますが、

しばしば物語を進めていく上で、

( たとえ強制的だったとしても、)

それが【 自分が決断した選択 】だ という認識を持たせる、

ゲームならではの効果を生み出す要素として使われています。

昨今のシナリオ重視のゲームでは、意図的にこれを配置し、

物語への没入感を高めていると言ってもいいでしょう。

思い返せば、『 ラスアス1 』の最後、エリー を助けるために

一人目の医師( アビーの父親 )を殺害する場面も強制イベントでした。

( これをうまく利用して続編『 ラスアス2 』のストーリーは作られています。

これが選択可能なイベントであったなら、

アビー の父親を殺害しなかったプレイヤーも出てきて、その人にとっては

ジョエル が身に覚えのない罪で復讐されることになってしまいます。)


『 ラスアス2 』においても

印象的な と言うよりも、

トラウマ級の強制イベントがいくつか存在します。

その中で、まずみなさんが思い浮かべるのが、

エリー が WLF( ウルフ )のメンバーで、ジョエル殺害の実行犯の一人である

ノラ を拷問する場面ではないでしょうか。

病院に潜入し、ノラ を追い詰めた エリー は、

主犯格である アビー の居場所を聞き出すべく

すでにウィルスに感染しつつある ノラ に、

仲間を庇って苦痛を味わいながら死ぬか、

アビー の居場所を言って苦痛を感じず楽に死ぬか の選択を迫ります。

( この2択の怖いところは、どちらにしても

ノラ には助かる道がないというところです。)

二人のやり取りのムービーシーンが続くなかで、

エリー の憎しみの感情が頂点に達したところで

エリー の顔の横に、突然□ボタンが表示されます。

ここで我々は、これがただのムービーシーンではなく

プレイヤーが直接関与する 強制イベントであることに気付きます。

ストーリーを進めるためには□ボタンを押さなければならず

私たちは半ば無理矢理 エリー が振るう暴力を

疑似体験することになるのです。

「 いくら ジョエル の仇を打つためとはいえ、

そこまでやる必要があるのか・・・。」

ほとんどのプレイヤーがそう思いながら

□ボタンを押したことだと思います。

これこそが映画や小説にはない、

ゲームだからこそ表現可能なリアルなキャラクター心理の疑似体験であり、

ある意味で我々は エリー と共犯関係を結ぶことになるのです。

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