『 Stray 』 猫が辿る世界 #3

Stray 猫 ゲーム ゲーム
猫が世界を変える 『 Stray 』

問題点と改善点

*『 Stray 』本編のネタバレが含まれます。

ツッコミどころもある。

ストーリーは割と単調だ。

途中お使いイベントで進行する場面もあり、

同じことの繰り返しのように感じたりもした。

ラストの展開もある程度予想出来るし、

既視感のあるものだった。

( しかし 後述するが、このシンプルさ、‶ ベタさ ” こそが

この物語には必要だったとも言える。)


前述のように、猫であることで

超難易度アクションの説得力は上がったが、

逆に説得力に欠ける部分も出てくる。

‶ 猫が賢こ過ぎる問題 ” だ。

作中 猫はB-12というドローンの通訳機能を通じて

ロボット達とコミュニケーションを取り

次にやるべきことを決定していくのだが、

これはどう考えてもおかしな話だ。

人間や動物同士なら表情や仕草で

何を考えているかの意思が読み取れる可能性はあるが、

ドローンやロボットには

当たり前だが生物のような表情は表現出来ない。

という事は、今作の主人公の猫は

B-12を介して発せられる言葉を

理解しているという事になる。

これはストーリー進行の都合上 仕方ない設定ではあるが、

重箱を隅をつつくようだが気になる部分ではある。

途中のパズル要素も、猫が解くにはさすがに難しいものばかりだ。

( アウトサイドの変容ぶりは核戦争後を示唆したものであるから、

突然変異によって IQの異常に高い猫が

生まれたと解釈出来なくもないが・・・。)


他にも カメラアングルの悪い箇所や、

いくつか進行不能バグも報告されているようだが、

この辺りは後から出るパッチで修正されていくだろう。

ポストアポカリプス( 終末もの )

このゲームは 人類の文明が滅んだ後の世界を描いた

いわゆる ポストアポカリプス( 終末もの )である。

ゾンビの出現や核戦争によって人類が絶滅寸前となった世界で、

生き残った人々が必至で生き残ろうとする姿を描くというフォーマットは

ジャンルを問わず 近年のトレンドと言っていい。

少し前なら『 ラスアス 』や『 Fall Out 』シリーズ、

『 ホライゾン 』シリーズや『 Days Gone 』、

『 DEATH STRANDING 』など、

ゲームだけに絞っても枚挙にいとまがない。

理由はどうあれ、人類のほとんどが居なくなった世界は

ゲームの世界でも大流行中である。

なぜここまで このジャンルが皆に支持されているかの考察はさておき、

この 『 Stray 』が斬新なのは、生き残ったのが

猫と、人間を模倣をするロボットのみというところだろう。

( ZURK は生物とも言えるが、

太陽光で死滅するバクテリアをどこまで生物と呼べるかは疑問だ。)

似たような設定で Pixar のアニメ映画『 ウォーリー 』があるが、

あちらは人類は地球を捨てて宇宙に移住したという事実が

後から分かってくる。

『 Stray 』において、

人類は環境問題を不完全な科学力で解決しようと

新種のバクテリア( ZURK )を生み出し、

自ら死滅を招いた。

物語終盤では その理由について、

まず下層の住人が死んでいったのを

上層に住む支配層が軽視し 対策を怠ったため、

最終的に上層部まで ZURK に侵されてしまい

絶滅に至ったという内容が B-12によって語られる。

人間の愚かしい姿を皮肉る姿勢というのは

こういった終末ものの常ではあるが、

その愚かな人間の姿を、

ロボットたちが真似て生活しているという点も

このゲームの面白いところだ。

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