THE LAST OF US Part2 ~ nature ~ #4

ラスアス2 ジョエル エリー 自然科学博物館 ゲーム
The Last of Us® Part II より

エリーのさが ~ nature ~

エリー
サンタバーバラ
満身創痍
満身創痍になりながらも アビーを探すエリー
/ The Last of Us® Part II より

人が悲しい出来事やショックな事に直面した際、

そのトラウマを乗り越えるのに、

何らかの経過を経ることが必要な場合があります。

それは身近な人の死だったり、

仕事の大きな失敗や 思い通りにならないこと、

場合によっては失恋や、いじめなど、

ケースはいろいろありますが、

それを忘れるのに必要なのは、

主に時間や、環境の変化、新しい出会いだったりします。

ジョエル を目の前で惨殺された エリー は、

強い憎しみを胸に、もともと持ち合わせていた強靭な意思をもって 

復讐の旅へ出ます。

サンタバーバラ での決闘にたどり着くまでには、

本当にたくさんの困難を乗り越えてきました。

長距離に及ぶ移動に 膨大な時間、

数多の人間の死( 身内も含む )。

感染者に追われ、狂信者に射抜かれ、

犬に噛まれ、

波にのまれ、

宙吊りにされ、

時には自分が起こしたあまりにも陰惨な行動に、

挫けそうになりトラウマを抱えることになりました。

彼女と共犯関係にあるわたし達も、

画面を通してとはいえ 同じ経験を経て来ました。

もはや復讐のための殺人鬼と化した エリー。

その恐ろしさは私たちもアビー編のラスボスとして対戦した時に、

嫌と言うほど味わいました。

それでもあきらめず、

時間、距離、死、トラウマ、数々の代償を払い、

最終的には2本の指まで失って復讐を成し遂げようとした 最後の最後で、

生前の ジョエル の姿を思い出し、

殺人鬼エリー の中に眠っていた人間としての部分が目覚めた。

それこそが、人間エリー の ‶ さが ” だったのではないでしょうか。

我々『 ラスアス1 』からのプレイヤーは、

エリー の本来の人間味あふれるキャラクターを知っています。

勝ち気で、ドライで、負けず嫌いで頑固。

友人思いで愛が深く、マーリーン やライリー、亡き母親に愛され、

キリンが好きでジョークが得意。

皮肉屋で寂しがり屋。

ジョエル の死によって アビー に強い憎悪を抱き、

あえて人間性を捨ててまで復讐を遂げようとした瞬間、

一瞬現れた ジョエル の姿で本来の自分を取り戻した エリー。

( 逆に言うと、そこまでしなければ忘れられないほど

ジョエル への愛が深かったとも言えます。)

最後の ジョエル との会話を思い出したのは、

ジョエル への許しと同時に、

誓った復讐をあきらめた 自分自身への許しだったのではないでしょうか。

そういう意味では、

ジョエル が人間としての エリー を救ったとも言えます。

ジョエル を許し、自分自身を許すための代償として、

ここまでの過程が必要だったのではないか、

というのが私の見解です。


これは、私が最初にプレイして思った感想でもあったので、

後から考察してみると

2人の最後の会話の内容から考えても、

前出の ‶ ほぼ真実に近い ” 見解の方が

正しいのかもしれません。

しかし、私個人の意見としては、

【 アビー と レブ を、かつての自分たちと重ね合わせて、

あやまちを許し復讐の連鎖を断ち切る。

更なる悲しみを生みださないように復讐するのをあきらめた。】

というのは、さすがに物分かりが良すぎると言うか、

それで本当に アビー への復讐の思いを断ち切れるかな?

という気持ちがあります。

それよりは、

【 エリー の ジョエル への愛情はとても深く、

数々の凄惨な行為をし、本来の自分までも見失ってしまったが、

最後の最後のきわで、

エリー
決闘
浜辺
浜辺に一人佇むエリーは 何を思うのか・・・ / The Last of Us® Part II より

ジョエル が エリー を人の世界に引き戻してくれた。

彼女の ‶ さが ” が 復讐を思いとどまらせた。】

という方が、人間臭くて良いかな と、

私個人としては思うところです。

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