
静かな前半戦
【3】各チームのフォーメーション
日本のフォーメーションは 4-3-2-1。
ゴールキーパーに鈴木彩艶。
ディフェンスラインが3枚で、
右から渡辺剛、谷口彰悟、伊藤洋輝。
ボランチ2枚が 鎌田大地と佐野海舟。
ウィングバック右に堂安律、左が中村敬斗。
前線1トップは オランダリーグ得点王の上田綺世が務め、
その下の2シャドーに
久保建英と前田大然が入る。
・・・・・・・・・・・・・・・
注目された 三笘の代わりの左インサイドハーフに、
森保監督は今シーズン セルティックで好調だった前田を起用。
スペースへの飛び出しと、
前線からの積極的な守備に期待してのものだろう。
強豪相手にウィングバックを含めた5バックで耐え凌ぎ、
攻撃時には1トップ上田を起点に
ショートカウンターを狙うという、
前回大会で強豪ドイツ、スペインを破った時の戦い方を
踏襲したものだ。
一方のオランダは 伝統的な4-3-3のフォーメーション。
キーパーにブライトンFC所属の
フェルブルッヘン。
ディフェンスラインは右から
ドゥンフリース、ファン・ヘッケ、ファン・ダイク、ファン・デ・フェン。
中盤のアンカー、フレンキー・デ・ヨングがゲームを組み立て、
前の2枚が右にテクニックに秀でる フラーフェンベルフ、
左がプレースキッカーを務める ラインデルス。
センターフォワードに ASローマで好調なマレン。
ウィングの右がスピードのあるサマーフィル、
左に攻撃の中心となるドリブラーのガクポという布陣。
・・・・・・・・・・・・・・・
代表通算最多得点を誇るタレントの
メンフィス・デパイは怪我の影響でベンチスタート。
他にもプレミアリーグのサンダーランドで活躍する
ブライアン・ブロビーや、
若干20歳、名門アヤックス出身で、
現チェルシー所属のディフェンダー、ヨレル・ハトなど、
ヨーロッパの名門クラブに所属する猛者が揃う。
【4】前半 キックオフ
7万人近い観衆が見守る中、前半がキックオフ。
・・・・・・・・・・・・・・・
序盤はオランダがボールを持つ展開。
日本の守備時は堂安、中村敬斗がバックラインまで下がり、
5バックでオランダのサイドアタックに対応。
特にこの試合のキープレイヤーの一人、
左サイドのウィングの ガクポに対しては
堂安がきっちり付いて、
時に右の IH の久保とダブルチームで抑える狙い。
しかし、その警戒していたガクポから
いきなりビッグチャンスが生まれる。
・・・・・・・・・・・・・・・
3分、オランダの攻撃。
左サイドでボールを受けた WGガクポがドリブルでカットイン。
日本は WG堂安と IH久保の二人で抑えに行くが
あえなくかわされてしまい、
ガクポから前線の CFマレンへの縦パスを許す。
相手を背負いながらペナルティーエリア内でボールを受けたマレンは、
マークしていた CB谷口を体で抑えながら反転し、
右足で強烈なシュートを放つ。
至近距離からの一撃は枠を捉えるが、
日本の守護神 GK鈴木ザイオンが鋭く反応しセーブ。
オランダ最初の決定機を コーナーキックに逃れた。
いきなりの決定機に
場内も騒然となる。
・・・・・・・・・・・・・・・
6分、今度は日本の攻撃。
左サイドでボールを奪った WB中村が
中央の CF上田に鋭いパス。
センターライン付近で受けた上田は鋭く反転して前を向くと、
上がってきた MF鎌田にボールを預ける。
鎌田は一旦タメを作った後、
左サイドに走りこんだ中村にパス。
逆サイドからフォローに来ていた 左SBファン・デ・フェンと
1対1の状況になった中村が、
得意のドリブルで相手をかわしたかに見えたが、
ファン・デ・フェンが中村を手で抑えて
日本 絶好の位置でフリーキックのチャンスを得る。
・・・・・・・・・・・・・・・
ボール奪取から素早く前線に預けて、
上がってきた両ウィングバックの攻撃力を活かすという、
日本が狙っている攻撃が垣間見えた場面。
特に左ウィングバックに入った中村は、
その決定力の高さもさることながら、
俊敏性を活かしたドリブルでの1対1が最大の持ち味。
その特徴が活きた攻撃だった。
7分、その中村の突破で得た左サイドからのフリーキック。
キッカーは ボランチの MF鎌田。
インスイング気味に放たれたボールは、
逆サイドの右ポケットに走りこんだ CB渡辺の頭へ。
折り返したボールはニアに走り込んだ IH前田に渡ったかに思われたが、
先に鎌田が蹴ったボールがゴールラインを割ったということで
オランダのゴールキックとの判定。
・・・・・・・・・・・・・・・
ゴールラインを割ってしまったが、
高さのあるオランダの守備陣に対し
意外性のある面白いプレーだった。
14分、日本の攻撃。
中盤で持った MF鎌田が、
左サイドに走り込んだ IH前田にロビングでのパス。
前田が胸トラップで収めてセンタリングを上げるが、
これに付いてきた SBドゥンフリースに当たってコーナーキック。
続く左からの鎌田のコーナーキックは
オランダディフェンスに跳ね返されるが、
日本が拾って再び左サイドに展開する。
IH久保にボールが渡ったところで、
コーナーキックで攻め残っていた CB谷口が
機を見てペナルティーエリアの左ポケットへ走り込む。
久保のアウトサイドでのスルーパスに反応した谷口は
ニアへグラウンダーのクロス。
前田が猛然と走り込んでこれに合わせるも、
必死に付いてきたオランダの CBファン・ヘッケに潰され
シュートには至らず。
・・・・・・・・・・・・・・・
17分、今度はオランダ。
右WGサマーフィルが中盤に下がってボールを受け、
タッチライン際で IH前田をかわすと、
ポジションチェンジしていた 右SBドゥンフリースにスルーパス。
ドゥンフリースは勢いよく右ペナルティーエリア内に侵入するが、
カバーリングに入った CB伊藤がこれをクリアする。
右サイドバックながら前線に上がって得点も決める、
ドゥンフリースの得意な形が見えた場面だ。
以降 しばらくオランダの攻め込む時間帯が続く。
オランダは 左ウィングのガクポを起点に
日本のペナルティーエリア内への侵入を試みるが、
日本の守備陣も必死にスペースを消して
自由にはやらせない。
中盤を仕切る デ・ヨングに対しては、
前線の上田が常にパスコースを消しながら対応。
ボールは支配されるものの
決定的な場面は作らせず、
ここで *ハイドレーション・ブレイク に入る。
〈*今大会から導入された制度で、
選手の過度な消耗を抑えるため、
前後半のちょうど中間くらいの時間帯(だいたい23分前後)で
3分間の給水タイムを取るというもの。
これにより、選手たちがまとまった休憩が取れるようになると共に、
ベンチからの細かい指示も出しやすくなったため、
戦術的な面でも注目されシたステム。
一部からは、「サッカーがバスケのようにクォーター制になった」との声も。〉
【5】‶ 1にガクポ、2にガクポ、3にガクポ ″
H・B(ハイドレーション・ブレイク)後は
一進一退の攻防が続く。
・・・・・・・・・・・・・・・
28分の日本。
ペナルティーエリア内に侵入した WB中村からの落としを、
左CBの伊東がミドルレンジからシュートを放つが
枠の外。
30分、今度はオランダの攻め。
左サイド WGガクポから
逆サイドの大外にいた SBドゥンフリースにクロスが渡るが、
ヘディングでのシュートは枠を捉えきれず。
・・・・・・・・・・・・・・・
日本はオランダ両サイドのウィングを警戒する余り、
堂安、中村の両ウィングバックが
完全にディフェンス・ラインに吸収されてしまい、
それと共に チームの重心も下がってしまう。
特にオランダ左サイドのウィンガー、ガクポは、
長いストライドを活かした独特の間合いと
確かなボールテクニックで、
何度となく日本の守備陣に脅威を与えていた。
34分、
オランダ右からのコーナーキック。
IHラインデルスのキックは
ニアサイドにいる CFマレンの頭を捉えるも、
ボールは GK鈴木ザイオンの正面。
ザイオンがこれを弾くと、
近くにいた CB谷口がいち早く反応しクリア。
左のタッチラインに逃れる。
・・・・・・・・・・・・・・・
谷口と前田に挟まれながらも、
高い打点からきちんとボールを捉えて枠に飛ばす、
マレンのヘディングの上手さにも驚かされるが、
それを最適なポジショニングで反応し防いだ
GK鈴木ザイオンも流石の安定感。
ゴールキーパー大国とも言われる
イタリア・セリエAのパルマで、
正守護神の座を掴んでいるだけのことはある。
・・・・・・・・・・・・・・・
初めて招集された当初はミスが目立ち、
代表レベルではないと酷評された鈴木ザイオン。
それでも辛抱強く使い続けてきた森保監督の期待に
この大舞台で十二分に応える活躍ぶりだ。
前半の終盤は完全にオランダのペース。
日本は自陣に押し込まれ、
なかなか相手陣地でプレーをさせてもらえず、
我慢の時間帯が続く。
・・・・・・・・・・・・・・・・
そんな中での43分、
日本が久々にオランダ陣内でボールを回す。
右サイドでボールを持った 右CB渡辺が
サイドに張る WB堂安にボールを預けて猛然とダッシュ。
オランダ守備陣の背後を取ってゴールライン付近まで駆け上がると
右足で緩い弾道のクロス。
これが逆サイドにいた WB中村へと渡る。
ゴール手前10メートルの位置で受けた中村は
トラップから右足を鋭く振り抜くが、
枠を捉えきれずゴール左に外れる。
日本 久し振りのビッグチャンスだったが、
これをモノにすることは出来なかった。
しかし、この角度から中村の放ったシュートが、
後半の日本の得点シーンに繋がっていくことになる。
その後、CF上田が CBファン・ダイクと1対1になり、
シュートを放つ場面などもあったが、
両者互いに譲らず、
結局前半は 0-0 のまま終了。
勝負の行方は後半へと持ち込まれることになった。
~ 前半のスタッツ ~
日本 オランダ
0 スコア 0
3 シュート数 5
(0) 枠内シュート (3)
33% ボール支配率 59%
137 パス成功数 305

コメント