FIFAワールドカップ 思い出のBest Bout カタール大会編②

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数々の名勝負を生んできたFIFAワールドカップ

【5】森保監督の采配と3分間の逆転劇

後半開始前に 日本の選手交代。

久保に代えて MF堂安、

長友に代えて MF三笘を投入。

三笘をそのまま左ウィング・バックの位置に据え、

右のWB伊東と共に縦の速さを活かそうという

攻撃的な布陣。

スペインも 右サイドバックのアスピリクエタに代えて

同じく右サイドの SBカルバハルを入れて

後半を迎える。

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日本は第一節のドイツ戦同様、

積極的な交代で流れを変えられるか。

そんな最中、

日本に貴重な得点が生まれる。


48分、

日本のプレッシャーにボールを下げるスペイン。

最終ラインからキーパーまで下げられたボールを、

CBロドリが右サイドへ。

しかし、ここには MF鎌田、WB三笘、CF前田がプレッシャーをかけ、

入ったばかりの SBカルバハルは慌ててロドリへ戻す。

ロドリにもプレッシャーがかかる中、

キーパーまで戻されたボールに

CF前田が猛然と詰め寄る。

慌てた GKウナイ・シモンが左足で左サイドの SBバルデに苦し紛れのパス。

バルデのトラップが少し浮いたところに

右WBの伊東が詰め寄り、

後ろから覆いかぶさるようにヘディング。

弾き返されたボールは MF堂安の下へ。

この絶好のチャンスボールを落ち際でトラップした堂安は、

目の前に迫る SBカルバハルをワンタッチでかわす。

一気に視界が開けたところを、

後にインタビュー内で本人が〈俺のコース〉と語った通り、

得意の左足で強烈なシュートを放った。

これに反応し、両手で防ぎに行った GKウナイ・シモンだったが、

あまりの威力に弾き返すことが出来ず、

ボールは勢いそのままに

スペインゴールに吸い込まれていく。

日本遂に同点に追い付く!(1-1)

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盛り上がる日本ベンチ。

はるばる現地まで観戦にやって来た日本のサポーターも、

歓喜と安堵の入り混じった表情。

しかし、熱狂の瞬間はこれで終わりではなかった。


3分後、再び日本の攻撃。

右サイドから攻め上がった WB伊東から

MF田中碧にパスが通る。

田中は右サイドにいる MF堂安へ。

スペインの 左SBバルデと1対1になった堂安。

直前の強烈なゴールの余韻が冷めやらない中、

左足でのカットインを警戒するバルデに対し、

堂安は縦に切り返して右足でクロスを上げる。

ボールはキーパーとディフェンスとの間を通り抜け、

ゴール左のタッチラインを割るかに思われたが、

そこに走りこんだのが

途中出場の WB三笘。

タッチを割るギリギリのところに左足を延ばし

懸命に折り返したボールは、

ゴール前に走りこんだ MF田中碧の元へ。

カバーに入る CBロドリより一瞬前に出た田中は、

右膝の辺りでボールに触れ、

体ごとスペインゴールへ流し込む。

しかし、レフェリーがここで

VARでの検証を選択。

三笘のオフサイドではなく、

三笘が折り返す前のボールが

タッチラインを割っていたかどうかが焦点となる。

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確かに 角度によっては完全にラインを割っていたようにも見える。

ⅤARの解析の結果を待つレフェリー。

約1分の後、

レフェリーのジェスチャーはゴールインの判定。(2-1)

日本 何とわずか3分の間に、

試合をひっくり返してしまった。


【6】‶堂安のコース″と三笘の1ミリ

それにしても、素晴らしい一連の得点だった。

まず1点目。

前半終わり近くからチーム全体で

前線からプレッシャーをかけ始めた日本。

ハーフタイムを挟んでも

その流れは変わらなかった。

新しく入ったフレッシュな三笘、堂安もそこに加わり、

前線からボールを追い回すことで

ウナイ・シモンの焦りを呼んだ。

中途半端なフィードでバルデのトラップが乱れたところに伊東が詰め、

そのこぼれたボールを拾った

堂安の豪快な一撃だった。

これで完全に日本は勢いに乗った。


続く2点目は、1点目の伏線が活きた形。

右サイドでボールを持った堂安の左足を警戒する余り、

縦へのケアが少しだけ遅れ、

クロスを上げさせるわずかな隙を作ってしまった。

また、対峙したのが まだ若干18歳のバルデだったことも

功を奏した。

百戦錬磨の ジョルディ・アルバであれば

防げたかもしれない失点。

バルデは1点目の失点にも絡んでおり、

苦いワールドカップ・デビューとなってしまった。

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そして、微妙な判定とはなったものの、

タッチを割りそうなギリギリのボールでも諦めずに喰らいついた

三笘の強い気持ちと、

三笘が折り返すことを信じてきっちりとゴール前に詰めていた、

田中碧の諦めない姿勢が

生んだゴールでもあった。

2人はユース時代から苦楽を共にした仲。

少しヒロイックな表現にはなるが、

二人の少年時代からの絆と信頼が

彼らの体を動かし、

その結果生まれたゴールのようにも感じられた。


【7】スペインの反撃

失点直後の57分。

スペインは2人の選手交代。

(ニコ・ウィリアムズ→FWフェラン・トーレス、モラタ→FWアセンシオ)

攻撃の活性化を図る。

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逆転後も変わらず前線からプレッシャーをかけ続ける日本。

61分には、

疲れの見えてきた CF前田に代わり、

ドイツ戦 殊勲の決勝ゴールを決めた FW浅野を投入し、

前線からの守備とカウンターを強化する狙いだ。

62分、

早速その浅野を使ったカウンター。

自陣右サイドで MF田中碧が SBバルデからボールを奪取。

前を走る CF浅野にボールを付ける。

右サイドで受けた浅野がヒールで落としたところ、

田中碧は3人目の動きで前線に上がっていた

WB伊東に浮き球のスルーパス。

PAペナルティ・エリア内 右のスポットに侵入した伊東が中に折り返すも、

これは力が弱く、GKウナイ・シモンにキャッチされる。

MF鎌田もちゃんとPA内に詰めていたが、

決定機とはならなかった。

しかし、手数をかけず少人数で攻め切るという

日本の意図する攻撃だった。


3ラインをコンパクトに保って

バランス良く守る日本に、

スペインはなかなか決定機を作り出せない。

日本が作るブロックの外側でボールを回す時間が増え、

時折り CBロドリや MFブスケツが縦にボールを入れようとするが、

日本の中盤に引っかかってしまい

起点を作れない時間が続く。

前半 あれだけ圧倒していたスペインでも、

少し歯車が狂うと

修復するのが難しい状況に陥ってしまう。

つくづく サッカーというのは

奥深いスポーツだ。


68分、日本の選手交代。

鎌田に代えて CB富安を入れる。

サイドバックも出来る富安を右のウィングバックに据え守備を強化しつつ、

伊東を一段上げて攻撃的に使う意図だろう。

一方のスペインも選手交代。

ガヴィ→FWアンス・ファティ、SBバルデ→ジョルディ・アルバ

と温存していた主力を次々と投入してくる。

残り試合時間は

アディショナル・タイムも含めると約25分。

遂にスペインも本気モードだ。

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