FIFAワールドカップ 思い出のBest Bout 北中米大会②

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今回も様々なドラマを生んだ FIFAワールドカップ

再びアディショナル・タイムでの悲劇

【7】押し込むブラジル と 耐える日本

ブラジル同点の1分後、

再びブラジルが決定機を迎える。

自陣でボールを奪ったブラジルのカウンター。

右サイドの WGハイアンから左サイド WGヴィニシウスへ速い展開。

WB堂安が攻め上がっていたため、

これに対峙するは CB冨安。

ヴィニシウスは、

右足アウトでトラップすると同時に冨安の股を抜いて

そのまま加速。

勢いのあるドリブルでペナルティーエリア内に侵入すると、

カットインからのシュートを匂わせながら縦に切り返し、

カバーに来た CMF佐野を置き去りにする。

残るは GK鈴木ザイオンのみ。

右足アウトでキーパーの足元を抜こうとする ヴィニシウスだったが、

このシュートに 鈴木ザイオンが超人的な反応。

左腕にわずかに触れたボールは右ポストに弾かれ、

これをゴール前にいた CB伊藤洋が何とかクリア。

ゴール正面でこぼれ球を拾った CFマテウス・クーニャがシュートを放つも

大きく枠から外れ、

日本 事なきを得る。

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特筆すべきは、ヴィニシウスの一連のプレー。

怪我明けとは言え、対人能力に定評のある冨安を

一発のトラップで抜き去り、

その後カバーに入った佐野も巧みな切り返しで無力化。

鈴木ザイオンのスーパーセーブが無ければ

今大会のベストゴールの一つにもなり得た、

圧巻のパフォーマンスだった。


64分、久々に日本の攻撃。

自陣でボールを持った 左CB伊藤洋から

縦に楔のパス。

これを受けた IH前田が、

背後から CBマルキーニョスのプレッシャーを受けながらも

ターンして前を向き、

前方左サイドのスペースにスルーパス。

ここに走り込んだ CF上田がボールを受け、

ペナルティーエリアの角付近から右足を振り抜く。

強烈なシュートは、

カバーに来た DMFカゼミーロの股の下を抜いて枠を捉えるも、

これは GKアリソンの正面で 得点とはならず。

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66分、日本は初めての選手交代。

両ウィングバックのWB中村、WB堂安に代えて、

WB鈴木淳之介 と、WB菅原を投入。

ブラジルも同時に、

疲れの見える CFマテウス・クーニャを下げ、

スピードのある FWマルティネッリを入れて

前線の活性化を図る。

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相変わらず ブラジルがゲームを支配する中、

数分後、後半のハイドレーション・ブレイク(H・B)に突入する。


H・B後も ブラジルが押し込む流れは変わらず。

前線でボールが収まらない日本は

どうしても重心が低くなり、

自陣のゴール前に釘付けの状態にされてしまう。

それでも、何とかこじ開けようとするブラジル。

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74分、再びブラジルの攻撃。

左サイドでボールを持った WGヴィニシウスが

ディフェンス二人を引き付け、

落としたところを CBマガリャンイスが左足でクロス。

右ポケットで待ち受けていた WGハイアンがヘッドで狙うが、

マークに付いていた WB鈴木淳に当たってコーナーキックへ逃れる。

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マガリャンイスがフリーでクロスを上げる場面は、

日本が失点した時と全く同じ展開。

ヴィニシウスの突破を警戒する余り、

最後尾から上がってくるマガリャンイスをフリーにする悪循環に

日本ベンチは対応しきれていない。


78分、日本二度目の選手交代。

存在感の薄くなっていた CMF鎌田の位置に CMF田中碧。

守備に力を割かれて体力的に厳しかった IH伊東純也に代えて、

FW町野を起用。

本来、点を取りに行くのであれば、

オランダ戦でも途中交代で決定的な仕事をした

FW小川を入れて2トップにしたいところだが、

今はまだ同点という状況。

延長戦があることも考えると、

現行のシステムを崩さずに守備でも貢献できる町野を入れて

何とか勝負どころがくるまで粘りたいというのが、

森保監督の思惑だったのかもしれない。

この交代が試合にどう影響を及ぼすのかは、

神のみぞ知るところだ。


日本が防戦一方となる中、

虎視眈々と得点の機会を伺う ブラジル。

84分には、

右サイドを 駆け上がった SBダニーロを

WB鈴木淳が後ろから倒し イエローカードをもらってしまう。

続くブラジルのフリーキック、コーナーキックも

何とか耐え凌ぎ、

延長戦も視野に入ってくる時間帯。

90分を過ぎて、ブラジルにも消耗の色が見える中、

アディショナル・タイムは6分の表示。

90+1分。

ブラジルは、同点弾の DMFカゼミーロに代えて、

同じくベテランの DMFファビーニョを投入。

90+3分、

日本のペナルティーエリア内でボールを受けた CFエンドリッキ。

対するは、日本の守備の要 CB谷口。

CB伊藤洋のサポートを得ながら冷静に対応し、

エンドリッキが縦に抜きに出たところを

スライディングでコーナーに逃れる。

頼れるキャプテンの存在が、

疲れの見える日本に再び息吹いぶきを吹き込む。

チームキャプテンの板倉が負傷によって出場できない状況の日本にとって、

ベテランは欠かすことの出来ない存在だ。


【8】ブラジルの底力

残す時間はあとわずか。

耐える日本。押すブラジル。

誰もが延長を意識する時間帯。

しかし、ここで均衡が崩れる。

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90+5分、

ブラジル 右サイドからの攻撃。

SBダニーロと WGハイアンでのコンビネーションから、

ペナルティーエリア中央のやや外でボールを受けた

CFエンドリッキ。

この危機をいち早く察知した CMF田中碧が

背後からボールを奪い前進。

奪い返そうと喰らいつくエンドリッキを振り払おうとするが、

前方からプレスに来た WGハイアンの姿が目に入り、

一旦ボールを下げようとする。

しかし、体制を崩したのかパスに勢いがなく、

ボールは 詰めていたハイアンの足元へ。

ハイアンは左足でペナルティアーク付近にいる

IHギマランイスに横パスを入れる。

ギマランイスはボールを受けると、

ターンして逆サイドに視線を移す。

ワンタッチの後、

カバーに入った CMF佐野がシュートブロックに入るところを冷静に見極め、

エリア内で待ち構える FWマルティネッリに極上のラストパス。

ゴールエリア手前でこれを受けた マルティネッリは、

左足でのトラップの後、

間髪入れず右足でフィニッシュ。

GK鈴木ザイオンが懸命に反応するが、

ボールは放たれた時の勢いそのままに右のゴールポストを弾いて

日本ゴールへと転がっていった。

日本、遂にブラジルに逆転を許す!(1-2)


歓喜に湧くブラジルサポーター。

嬉しさのあまりピッチに飛び出すブラジルのベンチ。

天を仰ぎ、神への感謝を示す マガリャンイス。

怒りのあまりに吠えまくる 鈴木ザイオン。

自分のミスからの失点に、

地面をただ見つめる 田中碧。

まだ時間はあると味方を鼓舞する ベテランの長友。

小川の投入を急ぐ日本ベンチ。

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そんな中、ブラジルの監督、

アンチェロッティだけはあくまで冷静だった。

特に動ずる様子もなく、

淡々と自分の席に戻っていく姿が

彼のこの仕事に対する覚悟を表しているように見える。

ブラジル国民にとっては、ベスト32突破は当たり前。

近年力を付けてきている日本相手とは言え、

ブラジルからすれば、まだまだ格下のチーム。

しかも、ワールドカップをブラジルが

外国人の監督で挑むのは今回が初のこと。

こんなところで負けていては、

ブラジル国内では大変なことになる。

そんな彼の気概が見えるとともに、

きっちりと日本の5バックの穴を見抜き、

後半から修正を入れてくるしたたかさをも感じるシーンだ。

アンチェロッティにとっては、

あくまで必然の結果なのだろう。


失点後、日本はすぐにCF小川航基を投入するも時すでに遅く、

それ以降 スコアが動くことはなかった。

この結果、森保ジャパンは2026北中米ワールドカップに於いて、

ベスト32で敗退することとなった。

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